経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)への出資で基本合意した中国・台湾の企業連合3社のうち、中国の大手投資会社ハーベストグループが出資に難色を示していることが分かった。JDIが有機ELパネルの新工場を中国に建設する計画が中国政府の認可を得られない可能性があることなどから金融支援に慎重な姿勢に転じた模様で、中台連合による支援の枠組みが崩れかねない状況に陥っている。
JDIは4月、中台連合から最大800億円の資金支援を受けると発表。420億円分の株式と、株式に転換できる社債180億円分を買ってもらい、資金需要に応じて転換社債200億円分を追加発行する予定だった。複数の関係者によると、ハーベストグループは中国での有機ELパネルの量産化を前提に出資に基本合意していたが、中国での工場建設計画の行方が不透明なことから出資に慎重になっているという。
追加発行する転換社債の分を除く計600億円分のうち、ハーベストグループが207億円(34・5%)、台湾の電子部品大手TPKホールディングが251億円(41・8%)、台湾の投資ファンドCGLグループが142億円(23・6%)を出す予定だったが、中台連合の出資の正式決定が遅れている。JDIの経営状況が想定以上に悪化していることも出資交渉を難しくしており、3社は今月13日までに、6月中としていた出資の正式決定時期を「(JDIの)事業の見通しを再精査した上で機関決定する」とJDIに伝えた。台湾の2社が金融支援の条件として、新たな出資者を加えるようJDIに求めたことも明らかになり、出資交渉の先行きは一段と見通せなくなってきた。JDIは海外の投資ファンドなどに出資を打診しているが、今のところ新たな出資者は見つかっていない。
JDIは4月、中台連合の出資…
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2019年5月23日07時00分
https://www.asahi.com/articles/ASM5Q5SF6M5QULFA03Z.html
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