KDDIと富士通は新潟県魚沼市と協力し、災害時にヘリコプターを携帯電話の基地局にする実証実験を実施した。ヘリコプターに小型の無線設備を搭載し、上空から電波を照射。周辺地域を最大で直径2キロメートル程度、通信圏内にする。地上の基地局が停止しても、被災者を迅速に救助できるようになる。ドローンの活用と合わせて災害対応での実用化を急ぐ。
実証実験は新潟県魚沼市で10月23日~11月6日に実施した。KDDIは企画と実用化の検討、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)が通信管理設備の小型・軽量化、富士通が携帯電話基地局などの小型・軽量化を進めた。
ヘリコプター基地局は、災害時に地上の基地局が停止した場合に、被災者と通信して救助する場面を想定する。通信のエリア化可能な範囲は直径約1.6キロ~2キロメートルで、範囲内で通話とショートメッセージサービス(SMS)が利用できる。
被災者の全地球測位システム(GPS)の位置情報を取得できるほか、GPSが利用できない場面でも被災者の携帯電話から発信される電波を捕捉して位置を推定できる。救助隊や医療機関などが通信で連携を取れ、迅速な救助ができる。
KDDIはドローン(小型無人機)を活用した災害対応向け基地局の実証実験を2017年から進めてきた。ドローンは噴火など人が近づけない場面で活用が期待できる一方で、バッテリーが持たず長時間の通信が難しいという課題があった。ヘリコプター基地局はドローンと比べて、長時間の通信が可能なうえ、高度から電波を照射することで通信できる範囲も広い。
KDDIはヘリコプターとドローンを災害の状況に合わせて使い分ける方針。今後、実証実験を通じて実用化を目指す。
2019/11/7 13:05
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51887870X01C19A1000000/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1573102243/