米司法省は26日、ソフトバンクグループ傘下の米携帯通信4位スプリントと同3位TモバイルUSの合併を条件付きで承認すると発表した。両社はプリペイド式携帯事業と周波数帯の一部を衛星テレビ大手のディッシュ・ネットワークに売却し、同社が第4の事業者として米携帯市場に参入する。ソフトバンクGは米事業の経営権を手放し、リスクを切り離す。
ソフトバンクGは4兆円超の負債を抱え、経営に行き詰まりをみせていたスプリントへの出資比率を84%から27%に落とし、持ち分法適用会社とする。連結の負債は3割減る。13年に米国通信市場に参入したが、今後は投資先の一つにとどめる。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号を設立し、投資会社化を加速する。
スプリントとTモバイルは2018年4月に合併計画を発表。次世代通信規「5G」の競争に備え、規模拡大によってベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの上位2社に対抗する戦略を打ち出した。合併で契約件数はAT&Tに迫る。
米連邦通信委員会(FCC)は今年5月、地方での通信網の整備やプリペイド事業の分離を条件に合併を認める意向を表明した。司法省は反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)の観点から審査していた。
携帯大手4社体制を重視する同省はFCCの条件に加え、ディッシュが即時に携帯事業を広げられるよう周波数帯の譲渡を求めた。両社は要請を受け入れ、スプリントのプリペイド事業と一部の周波数帯を売却する。
ただ、合併の条件は重い。司法省の条件により周波数帯の一部を売ることで、投資計画やサービス導入にスピードが鈍る可能性がある。FCCとは合併から3年間は値上げを凍結し、農村部でも通信網を早期に整備する約束を交わした。
合併に反対していたニューヨーク州など14の自治体のうち、26日時点でカンザス州など5州が司法省の条件を認め賛成にまわった。残る自治体の判断は不透明なままだ。
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引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1564158791/