同キャンペーンは還元率の高さから注目を集め、わずか10日間で還元総額が100億円に到達し、終了した。その間、PayPayのサービスを支えるシステムは、ユーザー数の増加に伴い、不安定な状態に。障害が相次ぎ、何回もの緊急メンテナンスを余儀なくされた。
押し寄せる膨大なアクセスに、PayPayのエンジニアはどのように対応したのか。山本さんが6月14日、イベント「AWS Summit Tokyo 2019」のセッションに登壇し、キャンペーンの舞台裏を語った。
昨年12月の「100億円あげちゃうキャンペーン」期間中、決済トランザクションが急増
□「予想よりもはるかに短い期間でキャンペーンが終了」
PayPayは、昨年10月にローンチしたが、開発を始めたのは約3カ月前の7月だった。開発期間が短いことから、個々の機能を独立したサービスとして開発し、APIなどで連携して1つのアプリケーションにする「マイクロサービスアーキテクチャ」の手法を採用。インフラ構築の手間を短縮するため、Amazon Web Services(AWS)を利用した。ただ、顧客のクレジットカード情報などは、ヤフーのシステムに保存する形式を採った。
マイクロサービスアーキテクチャを採用する、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を使う、インフラをAWS上に構築する、といった方法を採った
開発は急ピッチに進み、ローンチに間に合ったが、12月の「100億円あげちゃうキャンペーン」でトラブルに見舞われた。山本さんが「予想よりもはるかに短い期間でキャンペーンが終了した」というほど、期間中はユーザー数が急増し、システムへのアクセスが殺到。障害が多発した。
山本さんは、システム障害の原因の1つに、外部決済システム(ヤフー)と連携するサービスのリソースが不十分だったことを挙げる。決済情報を参照するために「ヤフーのシステムにリクエストを送るようにしているが、(その部分の処理が)詰まってしまい、他の部分にも影響が出た」という。
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2019年06月17日 08時00分 公開
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