「2006年にCUDA(とGeForce 8800を)導入して以来の最大の飛躍だ」。
NVIDIAのジェンスン・フアン氏(Founder and CEO, NVIDIA)は、カナダのバンクーバで開催されたCG学会「SIGGRAPH」の基調講演で、新グラフィックス向けGPUアーキテクチャ「Turing」をこう表現した。Turingは、NVIDIAのグラフィックス製品(GeForceとQuadroブランド)に向けた新GPUだ。そして、これまでにない革新的なグラフィックス製品である。
NVIDIAは、現在の3DグラフィックスGPUが登場して以来のレンダリングパイプラインを、Turingで変革しようとしている。伝統的なラスタライズ式のグラフィックスに加えて、レイトレーシング(Ray Tracing)、さらに深層学習ベースのレンダリングテクニックを統合したハイブリッドなレンダリングを実現する。レイトレーシングまでを、ハードウェアでアクセラレートすることでリアルタイムグラフィックスで現実的な性能に引き上げる。
10年に一度の飛躍といった謳い文句は、メーカーの誇大なマーケティングトークのように聞こえる。しかし、今回は本当だ。レンダリングパイプラインの本質的な変革が見えている。フアン氏は、GPUコンピューティングの導入以来の変革と位置づけているわけだが、実際には、リアルタイム3Dグラフィックスが現在のシェーダグラフィックスになったDirectX9世代以来の改革と言ってもいい。その意味では、2002年以来の改革となり、15年に1度の変わり目となる。
ハイブリッドなレンダリングモデルも、今回が初めてのコンセプトではない。NVIDIAは2010年頃からこの構想を語っている。しかし、これまでは現実的なビジョンではなかった。それは、ハードウェアとソフトウェアが追いついていなかったからだ。レイトレーシングのアクセラレーション、深層学習のグラフィックスへの適用などが、Turingのタイミングまでそろわなかった。満を持して、NVIDIAはハイブリッドレンダリングを本格的に導入する。NVIDIAが発表したNVIDIA RTXのソフトウェアスタックも、このための布石だったことがわかる。
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