富士フイルムホールディングスは13日、クラウド上でファイルを送受信するサービスを6月末まで無償提供すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務を導入する企業は増えているが、大容量のデータはメールに添付できず、秘匿性の高いデータをメールで送受信することを禁止している企業もある。同社はサービスを無償で提供することで、在宅勤務を後押しする考えだ。
ファイル送受信サービス「セキュアデリバー」は、富士フイルムが管理するクラウドにファイルをアップすると、取引先などにURLとパスワードが通知され、ファイルをダウンロードできる仕組み。誤送信や不正利用による情報漏洩リスクを抑えられるという。通常の月額料金は3万4500円から。
5月15日までに申し込めば、6月30日まで無償で利用できる。別途申し込むと、7月以降は有償サービスに移行できるという。
これまで大容量のファイルはハードディスクドライブ(HDD)に入れたり、秘匿性の高いデータは紙に印刷したりして、社内や取引先とやり取りしていた企業が多い。ただ在宅勤務を導入する企業が増え、代替手段を探る企業が増えている。富士フイルムは期間限定でサービスを無償提供し、在宅勤務を後押しするとともに、顧客基盤の拡大にもつなげる考えだ。(花田幸典)
2020/4/13 16:24
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57979970T10C20A4X20000/