インターネット上のテレビ会議システムを提供しているアメリカのIT企業は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に在宅勤務が増え利用者が急増している自社のシステムについて、セキュリティー上の問題があると発表し、今後対策を急ぐとしています。
アメリカのIT企業が提供するテレビ会議システム「Zoom」は、複数の利用者がインターネット上で会話することができるサービスで、新型コロナウイルスの影響で世界的に在宅勤務やオンラインでの授業が増える中、利用者は先月、感染が拡大する前の20倍以上に当たる2億人余りにまで急増しました。
しかしFBI=連邦捜査局は先月、「Zoom」にはセキュリティー上の問題があると指摘し、オンラインの授業中などに参加していないはずの何者かが妨害する内容を叫んだり、不適切な動画が流されたりといったケースが全国から報告されていると明らかにしました。
そのうえで、テレビ会議へのアクセス方法をSNS上などに掲載しないよう、呼びかけていました。これについて会社は4日までに声明を発表し、システムに問題があったことを認め謝罪したうえで、対策を急ぐとしています。
「Zoom」をめぐっては、アメリカの宇宙開発のベンチャー企業「スペースX」が、社員の利用を禁止したと伝えられているほか、日本でも「内閣サイバーセキュリティセンター」が注意を呼びかけています。
2020年4月5日 6時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200405/k10012369171000.html