川崎製鉄とNKKの統合により誕生したJFEグループのトップとして、鉄鋼業界の国際的な再編のなかで経営を指揮、その後NHK経営委員会委員長や東京電力会長を歴任したプロ経営者でもある數土文夫さん。製鉄所のエンジニアとして技術畑を歩み、やがては経営の道へと進むなかで、歴史や中国古典を座右の書に「人間学」を学び、財界きっての教養人としても知られる。そんな數土流マネジメントの流儀の一部と、リーダーのための組織運営の知恵をご紹介しよう。(第3回/全3回)
中略
その場合、大切なのは、人前で叱るということです。
こう言うと、「幕末の侠客、清水次郎長は人前で子分を怒らなかったという。子分にも体裁というものがあるから、そのやり方のほうがいいのでは」と言う人がいます。「褒めるときは人前で、叱るときはこっそりと」というわけです。
まったく違います。次郎長は類いまれな義侠心はあったのでしょうが、これが実話だとしたら、リーダーとしては失格でしょう。千人の子分がいて、それぞれが同じミスを繰り返したとしたら、千回、怒らなくてはいけないことになる。それでは身体がいくつあっても足りません。浪曲のつくり話です。
そうではなくて、部下が間違ったことをしたり、見当違いのことを言ったりしたら、皆の前で怒るべきです。それをやっておけば同じミスを犯す人が出なくなります。
逆に褒める場合は、人前ではなく、こっそりやらなければならない。他の人が妬むからです。
■「人を叱るときは衆目の前で」…
続きはソース元で
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191223-00031519-president-life
続きを読む