【ロンドン=佐竹実】韓国政府は9日、ジュネーブで開いた世界貿易機関(WTO)理事会で、日本政府による半導体材料の対韓輸出規制を批判し、撤回を求めた。日本側は「WTOのルール上、全く問題ない」と反論した。韓国はWTOへの提訴も検討するが日本側は協議に応じない方針で、主張は平行線をたどっている。
韓国政府の発表によると、9日に開かれたWTOの物品貿易理事会では韓国の大使が日本の対韓輸出規制について「日本企業を含むグローバルなバリューチェーンを乱す。韓国の半導体は世界の様々な製品に使われており、世界の産業に悪影響を及ぼす」と批判し、措置の撤回を強く求めた。
「日本の措置の対象になっているのは韓国だけだ。輸出管理強化について信頼が損なわれたという説明しかしていない」とも指摘。日本が議長国を務め、自由で公正な貿易の重要性を訴えた6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での主張に反すると述べた。
これに対し、伊原純一ジュネーブ国際機関代表部大使は「日本の措置は禁輸ではない」と反論。安全保障上の懸念に基づく輸出管理制度の見直しだと述べたうえで「韓国に適用されていた簡素化された措置を通常の手続きに戻すだけで、G20首脳宣言の趣旨に反するとの指摘にもあたらない」と語った。
韓国がWTOへの提訴を検討していることについては理事会後、記者団に対し「仮定の話は答えられない」と述べるにとどめた。
理事会の場で、第三国からの発言はなかったという。WTOは紛争処理小委員会(パネル)の設置前に、まず2国間協議で解決を模索するよう求めている。日本は提訴を前提にした韓国との協議には応じない構えだ。
世耕弘成経済産業相は9日、輸出管理の強化について「国内の運用見直しだ。協議の対象ではなく、撤回も全く考えていない」と強調した。一方で世耕氏は、見直し内容を事務レベルで韓国側に説明する意向を示した。韓国の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相は9日、12日に東京で話し合う方向で調整していると説明した。
2019/7/10 8:27 (2019/7/10 10:17更新)
日本経済新聞
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