「DuckDuckGo」は利用者のプライバシー保護と利用履歴を記録保持しないことを運営方針とする、アメリカ人の1%が利用するアメリカ国内で第4位の規模となる検索エンジンです。DuckDuckGoのCEOであるガブリエル・ワインバーグ氏が、GoogleやFacebookが個人情報を独占している現代のインターネットのあり方などに関して、インタビュー内で批判しています。
ワインバーグ氏によると、今やインターネット上には無数の「トラッキング」が存在しており、利用者のプライバシーに関するデータを集め続けているそうです。その中でも「検索」は自分の欲望に直結する、最も個人的で、他人に知られたくない情報です。しかし、Googleはユーザーの検索履歴を集め続けています。
ワインバーグ氏が批判するのは、「検索した単語」が個人の秘密に結びついているという点だけでなく、お金を稼ぐためには検索した単語を収集する必要がないという点です。DuckDuckGoでは、例えば「Car」と入力すると自動車広告が表示され、その広告からの収入を得ています。これは検索した単語から自動で表示される広告で、ユーザーをトラッキングして得られた個人情報に基づいて表示される「行動ターゲティング広告」とは異なるものです。
一方で、Googleの検索はユーザーの情報が検索結果に影響を与えます。それを示す端的な例としてワインバーグ氏が挙げたものが、その単語で検索した直後に別の単語で検索すると、結果が変わるという「魔法の単語」です。オバマ大統領の一期目の選挙が行われた際は、「Obama(オバマ)」が魔法の単語だったそうで、「Obama」と検索してから「gun control(銃規制)」と検索すると、その結果には「Obama」の検索履歴がない場合には表示されない検索結果が3つ追加されていたとのこと。これはオバマ陣営に対する協力や妨害などではなく、「Obama」の検索数が多かったがゆえの単なるアルゴリズム上の問題とのことですが、Googleが利用者の個人情報に基づいて検索結果をゆがめることができるという証拠になります。
過去の検索履歴・年齢・性別・国籍・住んでいる地域などが検索結果をゆがめてしまうため、ワインバーグ氏は「あなたと私が同じ単語でGoogle検索したとしても、得られる結果は異なります」と語っています。それゆえ、ユーザーの情報から「より好まれる検索結果」のみを表示して、結果的にあるユーザーが特定の検索結果にアクセスしにくくなる「フィルターバブル」が問題になっているとのこと。例えば住んでいる地域で検索結果が変化する場合、「選挙候補者」や「今回の選挙の焦点となる議題」に関する検索結果も住んでいる地域によって変わってしまい、選挙結果に影響を与える可能性があります。ワインバーグ氏は「これは民主主義をゆがめる可能性があり、社会の害になります」と語っています。
https://gigazine.net/news/20190602-duckduckgo-ceo-criticize-google/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1559451909/