ドワンゴは5月28日、企業や個人クリエイターが動画・生放送・記事などを配信できるサービス「ニコニコチャンネル」の有料会員数が4月25日時点で100万人を突破したと発表した。動画サービス「niconico」本体の有料会員が減少を続ける中、配信者とファンの距離が近い点などが支持を集め、2~4月で約10万人の新規会員を獲得するなど好調に推移した。
ドワンゴの夏野剛社長は「『niconicoはオワコン』という人もいるが、ニコニコチャンネルは根強く伸びている。(配信者とファンが)インタラクティブにコミュニケーションできる点が強みだ」と説明する。
ニコニコチャンネルのさらなる活性化に向け、生放送の視聴者が配信者に有料のギフト(投げ銭)を送れる機能を6月3日に実装する。配信者のサポートも強化し、視聴者の流入元などを定量的に分析できるツールも導入予定だ。
夏野社長は「配信者は『このギフトを送ってくれたらこんな企画をやるよ』などと発信して、視聴者とより深いコミュニケーションを取ってもらえれば」と話す。
累計約4億円を稼ぐ配信者も
2008年にスタートしたニコニコチャンネルには現在、約1400種類の有料チャンネルが存在。niconicoとは異なり、チャンネルごとに会員登録(月額540円、税込)する仕組みで、ドワンゴは課金収益から事務手数料(約14%)と消費税を差し引いた金額の83%を配信者に分配する。人気配信者の累計収益の平均は、上位100チャンネルでは約2億円、トップ5チャンネルでは約4億円と高額だ。
収益額トップはメンタリストのDaiGoさん。これまでに10万人超の会員を獲得し、累計6億円超の課金額を得ている。この他、ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKIさんのチャンネルなども人気で、夏野社長自身も時事ネタに切り込む番組を配信している。
DaiGoさんはYouTubeとの“二刀流”
会見にはDaiGoさんが登壇し、「YouTubeとニコニコチャンネルの両方で動画配信を行っているが、前者は広告収益に左右されるため、(売上が)不安な面もある。一方、サブスクリプション形式の後者は売上の見通しが立つため安心できる。無料で視聴できるYouTubeでファンを獲得し、ニコニコチャンネルに送客するという使い分けをしている」などと配信者ならではの活用法を解説した。
DaiGoさんは「やっぱり画面上に文字が出るのは最高。視聴者が、自分の発言や話題をどう思っているのがリアルタイムに分かる」とニコニコチャンネルの仕様を評価しつつも、夏野社長に「視聴者の入会手順を簡略化してほしい。ページ遷移の仕組みや検索機能なども改善してほしい」と要望する場面もあった。
さらなる協業を示唆
夏野社長はDaiGoさんの提案を受け、ニコニコチャンネルのさらなる機能改善を約束。有料会員減が続くniconico本体についても、「機能改善のスピードが遅かったことなどにより、ビジネスモデルとしての機能が弱っているが、UU(ユニークユーザー数)などは減っていない。有料会員を解約した人も、niconicoそのものを嫌っているわけじゃない。挽回できる」と強調した。
ドワンゴは3月からAbemaTVと協業するなど、同業他社との連携も進めている。決定事項ではなく、夏野社長の思い付きだというが、同社長は「SHOWROOM(社長)の前田(裕二)君とも一緒にやれることがあるのでは」などと語り、今後の方向性を示唆した。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/28/news126.html
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1559048935/