東芝は、脳の「海馬」の中でも空間認知をつかさどる一部の神経を模倣するハードウェアを米ジョンズ・ホプキンス大学と共同で開発し、脳での神経細胞とほぼ同じ反応を電子回路上で再現したと5月27日に発表した。東芝は「同種の実験結果は過去に例がない」としている。
米大学の研究チームが開発した、脳の神経細胞を忠実に再現する神経細胞回路設計技術や神経細胞の制御技術を基に、東芝がハードウェア上に回路を実装した。
模倣したのは、海馬の中でも空間認知をつかさどる「場所細胞」と「格子細胞」。ネズミの海馬研究の中でもさかんに研究が行われている分野で、既存の論文から模倣に必要なハードウェア構成などを組み立てた。
東芝は、神経細胞を表すハードウェアをアナログ回路で構成。制御回路はデジタルであるFPGAだが、アナログ回路で神経細胞を模したのは「脳内の情報伝達は神経細胞のアナログ処理が発する電気的信号でやり取りされているため、忠実な模倣にはアナログ処理により神経細胞を再現することが必須」(同社)だからだという。ハードウェアの大きさはA6サイズに収めた。
このハードウェアで実験したところ、場所細胞が脳内で起こす現象を電子回路上で再現できたという。
同社は脳機能を再現するための研究を進め、自律移動型ロボットの小型化などへの活用に役立てたいとしている。
研究成果は、IEEEの国際学会(札幌市、5月26日~29日)で29日に発表する。
2019年05月27日 00時00分
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/27/news042.html
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1558909853/