2019年3月20日にロシアのコンピューターセキュリティ会社カスペルスキーが「AppleはApp Storeのプラットフォーム所有者としての立場を乱用している」として、反トラスト法(独占禁止法)違反でロシアにおける公正取引委員会であるロシア連邦反独占庁にAppleを訴えました。カスペルスキーによると、AppleがiOSにScreen Times機能を追加した際、Screen Timesに似た機能を持ち先に販売していた同社の「Kaspersky Safe Kids」の販売を差し止め、意図的な独占状態を作り出したとのことです。
カスペルスキーは両親が自分の子どものiOSデバイス使用状況を監視できるようにするペアレンタルコントロールアプリ「Kaspersky Safe Kids」を、App Storeにて販売していました。2018年にAppleはカスペルスキーに対して「Kaspersky Safe KidsはiOS内のプロファイル設定を使用しており、App Storeの規約に違反している」として、「アプリコントロール」と「Safariブラウザブロック」の2つの機能を削除することを要求。カスペルスキーは2つの機能は不可欠であるとしてそのまま販売を継続しましたが、AppleはKaspersky Safe KidsのApp Storeにおける販売を差し止めました。また、Appleはアプリ開発者に対してユーザーの端末画面を記録するようなツールの使用を停止するように通達しました。
一方、AppleはKaspersky Safe Kidsの販売差し止めの直前に、搭載されたアプリケーションやウェブサイトに1日あたりどれだけの時間を費やしているかなどを表示してくれる「Screen Times」を実装。カスペルスキーは「Screen Timesは特定のウェブサイトの使用時間を監視、制限が可能で、本質的にはペアレンタルコントロールアプリになっている。Screen Timesの実装とKaspersky Safe Kidsの販売差し止めは偶然の一致ではない」と主張しています。
さらにカスペルスキーは「Screen Timesの発売以降、Appleはペアレンタルコントロールアプリの取り締まりを厳格化している」と批判しています。TechCrunchの調査によると、Screen Timesと似た機能を持つ、4年間もApp Storeで販売されていた「Mute」と3年半販売されていた「SPACE」がそれぞれ2018年10月と2018年の11月に販売を差し止められていることが判明していました。
カスペルスキーはAppleの取り締まりにより、市場は独占状態になっていると主張しています。また、この訴訟より1週間ほど前の2019年3月14日に、Spotifyも欧州委員会にAppleを独占禁止法違反で訴えています。
2019年03月20日 13時00分
https://gigazine.net/news/20190320-kaspersky-lab-against-apples-monopoly/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1553055799/