【ベルリン=石川潤】ドイツ政府は7日、次世代通信規格「5G」の通信網構築に向けた基準で、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)製品の排除を明示しない方針を決めた。米国政府は同盟国に同社製品の排除を呼びかけているが、名指しで採用を禁じる根拠に欠けると判断したとみられる。
ただ、5G通信網に用いる機器には従来より高い安全性を求めるともしており、ドイツの通信事業者がファーウェイ製品を実際に採用するかは不透明だ。
英フィナンシャル・タイムズなど複数のメディアが報じた。ドイツは月内に5G通信網の入札を実施する予定で、それに向けた基準作りを政府内で進めていた。
基準では国内の安全規則や通信の秘密を順守する信頼できる業者から通信機器を購入することを求める。特に重要な機器については、通信網に組み込む前に当局が認めた施設でテストを受けることを義務付ける。通信事業者には5G通信網で単一企業に依存しないように、機器の調達先の多様化を求める。
ドイツテレコムやボーダフォンなどの通信事業者はこうした基準を満たしていないとして、ファーウェイ製品を排除することもできるという。
ファーウェイ製品を巡っては米国が安全保障上の懸念があると主張し、同社製品の導入をやめるよう同盟国に迫っている。これに対し、ファーウェイは「何の証拠もない」と一貫して否定している。7日には一部の中国製品を米政府機関が調達することを禁じる「2019年度米国防権限法」は米憲法違反だと米政府を提訴した。
ドイツや英国など欧州諸国はこうした対立の板挟みになって難しい判断を迫られている。メルケル独首相はファーウェイ製品の採用の是非について「(中国)政府にすべてのデータを伝えない保証がなければ」などと述べていた。
2019/3/8 8:13
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42186150Y9A300C1MM0000/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1552002632/