ソフトバンクが2018年12月6日に起こした大規模通信障害の再発防止に向けて、フィンランドのノキア製機器の導入拡大を検討していることが日経コンピュータの取材で2018年12月12日に分かった。約40億円を投じて東京と大阪に新たなセンターを設け、ノキア製の通信機器を採用する考え。ソフトバンクは通信機器を複数メーカーに分けることで大規模障害の再発を防ぐ。
同社は現在、「MME(Mobility Management Entity)」と呼ぶ交換機などを収容したセンターを東京と大阪の2カ所に設け、全国をカバーしている。今回の通信障害を受けて、2019年をめどに、2カ所のセンターを4カ所に倍増させる方針だ。既存のセンターのMMEなどにはスウェーデンのエリクソン製の機器を導入していたが、新たなセンターにはノキア製の機器を採用する考え。エリクソン製の機器に異常が発生しても、ノキア製の機器で通信サービスを提供し続けられるようにする。
日本政府は安全保障上の懸念から、中国の華為技術(ファーウェイ)などの通信機器を政府調達から事実上排除する指針をまとめた。ソフトバンクはファーウェイ製品の採用は難しいと判断し、ノキア製品の導入拡大に動いたとみられる。
ソフトバンクの通信障害は2018年12月6日午後1時39分ごろに起こった。ソフトバンクや格安ブランド「ワイモバイル」の4G(LTE)回線を使った携帯電話サービスのほか、固定電話の「おうちのでんわ」や固定通信サービスの「SoftBank Air」が利用できなくなった。その結果、3Gにアクセスが集中して「輻輳」が起こり、3G通信も不安定になった。
原因はエリクソン製のMMEが搭載するソフトウエアの異常にあった。証明書の期限切れにより、端末の認証や位置情報の登録などを担う「HSS(Home Subscriber Server)」などと通信できなくなった。ソフトバンクはMMEのソフトを旧バージョンに切り戻すことで、障害を解消していた。
このほか、ソフトバンクは大規模な通信障害や災害時に限り、NTTドコモやKDDI(au)のローミング(相互乗り入れ)を活用して影響の拡大を防ぐことも検討している。設備投資の抑制につながるとして認められない可能性が高いが、携帯電話は社会インフラとしての役割が拡大しており、被害を最小限に抑えるためには不可欠として政府や総務省などに働きかけていく考え。
2018/12/12 17:30
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