僕はメールが嫌いだ。社内メールで“よろしくお願いいたします”なんて書く時にはメンドくさくて吐き気がしてくる。そんな僕が朝起きてすぐにチェックするのはSlack、寝る前にスマホで最後に確認するのもSlackの通知。返事は短いカジュアルな文章で済むし、リアクションを追加したりもできるのでラクだ。ポケベルは来年にサービスを終了するが、ファックス、そしてせめて社内間のメールなど、レガシーなコミュニケーションツールにはその長すぎた歴史に幕を閉じてほしいと願っている。
ビジネスコラボレーションハブSlackの日本語版がローンチしたのは2017年の11月17日。当日開催されていたTechCrunch Tokyo 2017にてSlack TechnologiesのCTO、カル・ヘンダーソン氏がローンチを発表した。
それからほぼ一年後の2018年11月、Slack CEOのスチュワート・バターフィールド氏とSlack Japanカントリーマネジャーの佐々木聖治氏にSlackの日本での“これまで”と“これから”について話を聞くチャンスを掴めたので、みなさんにもその内容を共有したいと思う。
口コミ・SNSで広がったSlack Japanの一年目
Slackは現在、100ヶ国を超える国々の50万以上の組織、そして800万人を超えるアクティブユーザーを抱えている。日本ではアクティブユーザー数がすでに50万人を突破し、国別で世界第2位のマーケットに成長した。佐々木氏いわくアクティブユーザー数の多さの秘訣は、顧客のカスタマージャーニー・導入後のサポートに細心の注意を払うこと。
Slackはフリーミアムだが、国内では50万人のうち、15万人がすでに有償ユーザー。2018年9月にはヤフーが社員約11000人を対象に有償版を導入すると発表したが、導入先はIT企業に限らない。自動車・二輪車の部品を製造、供給する武蔵精密工業も2018年10月より本社全社員を対象にSlackを導入したと発表している。
バターフィールド氏は「IT系スタートアップやゲーム会社などは以前より導入していたが、より幅広い業界にご活用いただくべく動いている。ヤフーやソフトバンクはすでに顧客だが、金融、保険の業界とも会話を加速させているところだ」と話した。佐々木氏は「日本のマーケットに存在するあらゆるセングメントの企業にリーチしていきたい」と加えた。
またバターフィールド氏いわくアメリカでは多くのメディアに使われており100パーセントを少し下回るくらいのシェアを誇っているそう。日本でもメディア導入を加速させる狙いだ。
SlackではメッセージにEmojiでリアクションができるのが大きな特徴だと言えるだろう。返事をしなくても、たとえば目玉の絵文字を使うことで“見ましたよアピール”をすることができる。この絵文字機能は当然のごとく日本では特に重宝されているとバターフィールド氏は話した。
そんなこともあってか、たとえば転職した際に新しい職場で「Slackを使いましょう」といった具合にレコメンドするケースが多いそうだ。普及の経路に関しては「口コミ」が大きかったという。TwitterやFacebookなどのSNSでSlackの利用方法などについての投稿も目立つ。ミレニアル世代を中心にファンベースがここまで多いのはB向けプロダクトとしては異例なのではないか。バージョン3.56の新着情報にて通知音を公式に「スッコココ」と形容した際にもSNSで話題になっていた。
受信箱からチャンネルの時代へ
Slackの登場によりメールの歴史は幕を閉じるのか。バターフィールド氏は「1000年後もメールは存在しているだろう」と話した一方「Slackは社内間のコミュニケーションにおいて、メールに取って代わるツールとして今後さらに存在感を増していく」と強気に述べた。
社内でのコミュニケーションにおいてSlackはどのような活躍ができるのか。バターフィールド氏は「上層部の人間は権力を駆使し、情報を留める傾向にある。だがSlackでのコミュニケーションには透明度あり、それは困難だ」と話した。SlackではDMよりもチャンネルなど複数人の間でのオープンなやりとりがメインとなるからだ。Slackを使う上で最も理解・尊重するべきなのはコミュニケーションの「透明性」だとバターフィールド氏は述べた。
https://jp.techcrunch.com/2018/12/08/slack-ceo-interview/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1544264719/