NTTドコモは17日、スマートフォン(スマホ)の利用状況など複数のデータを解析し、個人の「信用スコア」を算出するサービスを発表した。新生銀行と協力し、2019年3月から提供を始める。金融機関は信用スコアを使い、融資条件を利用者に示せる。携帯市場は需要の頭打ちと楽天参入で競争が激しくなると見込み、契約者6600万人の基盤を強みに金融サービス分野の開拓を急ぐ。
新たに始める信用スコアサービス「ドコモ レンディングプラットフォーム」は、ドコモ利用者の信用スコアを金融機関に提供する。利用者の同意に基づいて、回線の利用期間や携帯料金の支払い履歴などからはじく。金融機関はスコアが高いほど利息や金利を低くするといった融資が可能になる。新生銀は19年3月に始める新たな融資サービスで活用する。
ドコモは金融とIT(情報技術)を融合させたフィンテックのサービスを次々に広げている。5月、お金のデザイン(東京・港)と共同で、携帯電話の支払いなどでたまるポイントを使った投資サービスを始めた。
10月には東京海上日動火災保険と、スマホのデータを生かし、人工知能(AI)が利用者に最適な保険を提案する損害保険サービスを始めると発表した。
ドコモが新しい分野の開拓を急ぐ背景には、屋台骨である通信事業の成長の限界が見えてきた事情がある。
携帯電話は広く行き渡り、契約者の大きな増加は見込めない。19年秋には4社目の事業者として楽天が携帯事業に参入する。政府の値下げ圧力も強く、通信事業の今後に不透明感が増している。
ドコモは5月、戦略を改めた。これまで回線契約をメーンとしていた同社の事業基盤を、同社が提供する共通ポイントサービス「dポイント」の会員に転換した。
回線を契約していないポイント会員も、ドコモが提供するコンテンツや決済など様々なサービスを使える。ドコモは非通信サービスを成長のタネにする方針で、金融分野のサービスはその中でも期待をかけている。
動画配信などのサービスも含め、非通信部門の営業利益は約1400億円。全体の14%を稼ぐまで成長した。金融決済分野のサービスはそのうち約2割を占めており、非通信の柱の一つとして育ってきた。もともとドコモは1999年に始めたネット接続サービス「iモード」でコンテンツの課金代行を始め、金融との関わりは古い。
ただ、新しい金融サービスはスタートアップ企業に加えてLINEなど異業種企業も参入、混戦模様となっている。
信用スコアを算出して融資に活用するサービスに限ってみても、ソフトバンクがすでにみずほ銀行と共同出資してJスコア(東京・港)を設立し、17年から事業を始めている。6600万人という巨大な事業基盤を持つドコモとはいえ、今までのように余裕で進めることは難しい。(堀越功)
2018/10/17 13:47
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36584580X11C18A0TJ1000/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1539752183/