シャープの石田佳久副社長は15日に記者会見し、10月に買収した東芝のパソコン事業について、2018年度中に黒字化できるとの見解を示した。買収完了後に、旧東芝パソコン事業について公式に経営幹部が発言するのは初めて。事業の構造改革に加えて、シャープや親会社である鴻海(ホンハイ)精密工業との部品調達や販売面で連携しコスト削減を進める。
「CEATEC(シーテック)ジャパン」(16日開幕)の報道向け記者会見で明らかにした。石田副社長は「(東芝パソコン事業は)前体制下で構造改革が進んでおり、事業基盤はしっかりしたものになりつつある。想定外の事態がなければ、ブレークイーブン以上の業績が残せるはずだ」と意欲をみせた。
シャープは約40億円と投じ「ダイナブック」などのブランドでパソコン事業を展開する東芝クライアントソリューション(TCS、東京・江東)の株式80.1%を取得した。買収前、TCSは83億円の営業赤字(18年3月期)だった。TCSの覚道清文最高経営責任者(CEO)は留任するが、会長にシャープの石田副社長が就いた。
一方、拡大戦略については「ダイナブックは国内ではよく知られるブランドだが、これまで海外は他ブランドで展開していた。今後はダイナブックを前面に海外展開を進めていきたい」と語った。また、シャープが持つ複合機など企業向け商材の販路と組み合わせるなど、地域や販売チャネルの拡大も並行して進める。そのほか、超高精細画像の8K、高速通信規格「5G」など先端技術との連携による事業展開もはかる方針だ。
石田副社長は「パソコン市場の縮小傾向は事実だが、減り方は極端ではない。従来グローバルで2億台あったパソコンが、現状1億7千万台に減った程度で、あまり心配していない」と話した。
2018/10/15 13:36
日本経済新聞
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引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1539582009/