日本サムスンは7月12日、東京都内で「Samsung SSD Forum 2018 Tokyo」を開催し、国内企業のSSD活用事例の紹介や、サムスンが取り組むNANDやSSDの動向などを紹介した。
国内でのSamsung SSD Forumの開催は、今年で3回目となる。その中で、韓国Samsung Electronic Memory事業部 NAND企画グループ常務のChanik Park氏によって、Samsung Electronicが取り組むNANDを中心とした半導体事業やSSD製品の今後のロードマップが紹介された。
2018年に9x層積層型の次世代3D NAND「V-NAND」やQLC採用SSDなどを投入
Park氏によると、現在Samsung Electronicが取り組むメモリー事業では、NAND製造の割合が大幅に伸びているという。
PCやモバイル分野だけでなく、IoT分野や、AI、自動運転などのビッグデータ分析といった分野などで活用されるデータ量が増えており、それは今後も加速度的に増大していくとの予測を示しつつ、それら増大するデータを迅速に活用するには、高速なSSDが不可欠であり、今後も持続的にSSD需要が伸びると指摘。
その上で、今後さまざまなサービスでビッグデータをデータセンターで処理する事例が増えることで、データセンターストレージの役割はますます高まるとし、大容量、ローレイテンシ、新インターフェイスがSSDの重要なポイントになるとの予測を示した。
まず、容量の面については、Samsungが開発した3D NAND「V-NAND」の動向を紹介。現在V-NANDは、64層の第4世代モデルを出荷しているが、2018年中に第5世代となる新モデルの出荷を開始するという。第5世代V-NANDでは9x層へと積層数が増え、容量も1ダイあたり1Tbitに到達するとし、世界最大容量を実現するとした。
また、データセンター向けSSDの新フォームファクタとなる「NGSFF(NF1)」に対応する製品の提供も始まる。NF1は従来までM.3と呼ばれていたもので、M.2をベースに基板の幅を広くし、NANDメモリチップを2列並べて実装できるようにしたもの。M.2よりも多くのNANDメモリチップが搭載可能となり、より大容量の製品を提供可能となる。
2.5インチサイズのSAS SSDでは、世界最大容量となる32TBモデルの出荷も開始するという。この32TB SAS SSDを利用すれば、HDDを利用する2ラックサイズのストレージサーバーと同容量を、2U×2のサイズで実現可能になるとともに、読み出し速度も第4世代V-NANDの採用によって従来よりも2.5倍高速になるという。
ローレイテンシNANDの「Z-NAND」は、2017年に第1世代モデルを投入し、2018年には第2世代モデルを投入予定という。
第2世代Z-NANDでは、第1世代モデルと比べて大幅にコストが低減され、コストとレイテンシのバランスに優れる製品になるとし、TLC SSDと比べてリードレイテンシは5.5倍、リードQoSも100倍高速で、高性能なシステムに最適であることを示した。
大容量の要求に対応するように、1セルあたり4bitのデータを記録できる「QLC NAND」を利用したSSDも、2018年中に提供を開始するという。
QLC仕様のV-NANDを利用した大容量SSDを利用したサーバーでは、10K HDDを利用するサーバーと比べて、TCO(システムの層保有コスト)を66%削減できるとし、今後10K rpm HDDを利用するデータサーバーで今後QLC SSDへの置き換えが急速に進むとの見通しを示した。
クライアントPC向けにもQLC SSDの提供を開始することで、クライアントPCでも、テラバイトクラスのSSD搭載が容易になるという。
ビッグデータ向けとして「Key Value SSD」の提供も始まっている。Key Value SSDでは、アプリケーションから直接デバイスドライバにアクセスでき、アクセス速度が非常に高速になるとともに、製品寿命も大幅に伸びることで、増大するデータを高速に処理するために最適とした。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1134346.html
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1532500280/