ソニーの吉田社長が4月の新経営体制発足後、初の中期経営計画を発表した。主力の家庭用ゲーム機「プレイステーション4」を使ったネット配信の強化や、映画や音楽の知的財産を使い安定的に収益を伸ばすのが柱となる。ただ赤字に陥っているスマートフォン事業のてこ入れ策や出遅れた自動運転車向けセンサーの強化策については明確な戦略にまで踏み込んでおらず、どう乗り切るかが課題だ。
「ソニーの変革はこれからも続く」
吉田社長は22日の記者会見で、今後も改革の手は緩めない考えを強調した。
ソニーは平井一夫前社長が取り組んだ構造改革で2018年3月期の連結営業利益が7348億円と20年ぶりに最高益を更新するまで回復。業績面で見れば復活を印象付けたが、吉田社長は改革は道半ばだと見る。
大きな懸案が、スマホ事業。販売不振で18年3月期は276億円の営業赤字を計上し、今期も150億円の赤字が続く見通し。それでも、ソニーが事業を継続するのは、次世代通信技術である第5世代(5G)のノウハウを蓄積しておく必要があると判断しているためだ。5Gはスマホ以外の幅広い製品にも適用される見通しで「モバイルという世界の中でレバーを持つことが長期的に事業の安定性につながる」と吉田社長は取り組む意義を説明した。
ソニーは年1000万台のスマホ販売台数でも利益を出せるよう調達や製造、販売の態勢を見直す考えで「総力戦で事業安定化に取り組む」(吉田社長)が、赤字から抜け出せなければ、経営の大きな足かせになる。
持続成長のためには次世代分野の開拓も急務だ。吉田社長は自動運転車向けセンサーなどの「事業育成に取り組む」と強調し、投資を強化するとした。スマホの画像処理に使うセンサーでは圧倒的に強いソニーだが、自動運転向けでは、米インテル傘下のイスラエル社などの先行を許し「高いポジションにあるわけではない」(吉田社長)。自動運転関連を将来の柱に育成すべく、どう戦略を立案し、実行するのか。吉田社長の経営力が試される。(今井裕治)
2018.5.23 06:15
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180523/bsb1805230615003-n1.htm
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1527028187/