http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1805/16/news017.html
4月3日に実施された日本語、英語、中国語の音声翻訳アプリ「ボイストラ」のデモ=日本記者クラブ提供
「東京オリンピックまでには翻訳精度を高めて、世界最高の翻訳アプリを作りたい」。最新の
音声翻訳アプリ『VoiceTra(以下、ボイストラ)』のデモ発表会で、人工知能(AI)を使った
音声翻訳技術を開発する国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の開発担当者である隅田英一郎氏は、
こう意気込んでいた。
この日は、空港でスーツケースをなくしたという設定で日本語と中国語でタブレットを使用しての
やりとりや、病院において採血と血圧を測定するという中での日本語と英語での会話を、
「ボイストラ」を使って翻訳するデモを実施した。1秒もかからずに相手国の言葉に訳され、
ネイティブスピーカーと変わらないスムーズな翻訳には驚かされた。
今回のデモでは話す人が静かな環境の中、クリアな声で話したため、間違うことなく同時翻訳された。
しかし、雑音が多かったり、「あー、うー」といったような前置きが長かったりすると翻訳できないなど
改善点が残されており、今後はさらにデータを集積することで、こうした点を修正したいという。
音声翻訳は難しいと言われてきたが、AIなどの進歩により翻訳性能が飛躍的に向上し、
2020年の東京オリンピックまでには多くの場所で手軽に使えるようになりそうだ。しかし、
米IT大手のグーグルやマイクロソフトなども開発を急いでおり、日本勢がブランド力抜群の巨大IT企業に
打ち勝って、音声翻訳アプリの市場で覇権を握れるかどうかが今後のカギとなる。
(中略)
「マーケティング力」が勝負のカギに
ただし、いくら軽量、超小型の翻訳精度の高い音声翻訳アプリを開発しても、普及しなければ
宝の持ち腐れになり、日本だけで普及してもインパクトがない。世界の主要言語を同時に翻訳できるアプリを
内蔵したスマホを世界中に広めるには、発想を転換してグーグルかマイクロソフトと手を握るというのも
新しいマーケティング戦略になるかもしれない。国内技術だけに頼っていては、かつての日本製の
携帯電話がガラパゴス化したのと同じ轍を踏む恐れがある。
世界の音声翻訳市場で日本が覇権を握るためには、欧米、中国など大きな市場でも普及できる
マーケティング力がなければ、オールジャパンで開発したオンリーワンの技術も世界市場では
陽の目を見ないかもしれない。音声翻訳アプリで世界ブランドを確立するためには、日本で開発した
最新技術プラス世界で「売る力」が必要になる。ましてや「ボイストラ」アプリも消費者向けの製品なので、
消費者に浸透させるためには一層の努力が必要だ。オールジャパンにこだわるよりも、世界に普及させるために
どうすべきかを優先すべきではないか。
東京五輪に向け、この1~2年以内に消費者に「ボイストラ」を世界に浸透させる努力を怠れば、
結局、「売り方が下手な日本勢」として、グーグルなどの海外企業に淘汰される可能性は否定できない。 
(全文は記事元参照。全5ページ)
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1526440815/