――楽天の歴史の中で、大きかった出来事は何でしょうか。
大きかったのは、社内公用語を英語に変更したことでしょうか。これによって、日本的な企業風土を打破することができたことに加え、本当の意味でのダイバーシティー(多様化)の追求ということに成功しつつあると思っています。世界から人材を集めているので、本当に強烈、強烈な才能あふれる社員がたくさんいます。
そういう意味では、日本人だけじゃない多様化された組織にすることによって、組織のダイナミズムを維持できているということは言えると思います。じつは、社内公用語を英語にしていなかったら、この楽天という会社は終わっていたかもしれないなと思うんです。「つまらない会社」になっていたかもしれないですね、本当に。
――振り返ると、社内公用語を英語にするときにも、いろいろ批判的なことを言われました。
いまでこそ、みんな「英語が大事だ」と言うようになりましたけどね。だいたい、ぼくはいつも評価が低いんですよ。楽天がやろうとすることを否定されたときも、「そういう考え方もあるよね」という程度にしか、ぼくは考えていないです。だから、否定する意見に対して怒ることもないです。「ああ、なるほどね」っていう程度で受けとめている。常識的に考えたら、おっしゃる通りかもしれないけど、「おれは常識人じゃないし」とか思いながら。そもそも常識を超えていくのが、アントレプレナーだって思っていますから。あとは「根性」ですね。根性は大事です。
https://globe.asahi.com/article/14262178
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