5月10日に還元の仕組みを大きく変えたのが、NTTドコモのd払いだ。同社は通信回線契約者向けに最大7%還元の「dポイントスーパー還元プログラム」を実施してきたが、この適用条件を大幅に見直した。
それまでは、ドコモの通信料金の支払いにdカードを利用することで1%、ドコモのコンテンツサービスを利用することで各1~2%と還元率が積み上がっていった。サービスを利用契約することで、比較的簡単に7%までの還元が受けられた。
5月10日以降、このコンテンツサービス利用分がなくなり、代わりにdポイントをためた回数や、dカードの請求額などで還元率が変化するようになった。最大7%還元は同じだが、最大まで還元を受けようとすると、dカードでの支払いが月20万円以上、ネットでの決済が月5万円以上、dポイントを貯めた回数が月100回以上必要になる。これまでと比べ、ハードルが大きく上がってしまった。
◇ペイペイも月の利用回数で率が変わる
ソフトバンク系列のペイペイも、4月1日から還元率を大きく下げている。3月31日まではペイペイやヤフーカードで支払っていた場合、常時1.5%の還元を受けられたが、この率が3分の1の0.5%に引き下げられた。代わりに、ドコモと同様、利用頻度や利用額に応じて還元率が上がるプログラムを導入した。
条件は、100円以上の決済を月50回以上行うとプラス0.5%、前月の決済金額の合計が10万円以上になるとプラス0.5%で、ベースの0.5%と足すと3月31日までと同じ1.5%になる。とはいえ、1日にならすと1.6回以上、3333円以上の利用が必要になり、やはりハードルは高い。多くの利用者にとっては改悪と言えそうだ。
ポイントプログラムを改定したのは、LINEペイも同じだ。5月1日からは、LINEペイを利用した決済では、ポイントが一切つかなくなる。代わりに導入した後払いの「ビザLINEペイカード」をLINEペイに登録すると、還元率が1%で、利用状況に応じて最大3%のポイントがつくが、新たにクレジットカードを作らなければならない。
◇利用者拡大のための販促は終わり
スマホ決済は、各社が大幅還元を実施することで利用者を獲得してきた。一方で、高額還元は収益の重しになる。
たとえばドコモは、2019年度にd払いの取扱高が3990億円と前年度から3.2倍に成長した一方で、決済事業を含むスマートライフ事業の営業利益は1%増の1481億円にとどまった。同社の吉沢和弘社長は「d払いや映像系サービスの積極的な販売促進の影響があった」と語る。他社の状況も同様で、先行投資が続いている。
各社とも、利用者数の規模が大きくなった結果、いま還元率を下げ始めていると言える。業種を絞った短期間のキャンペーンで利用を促進することはあるが、利用者獲得のステージは終わったというわけだ。逆に、後発のauペイは還元率を0.5%から1%に上げるキャンペーンを行っており、他社を追い上げる。還元率で選ぶなら、こちらのサービスを選択するのも手と言えそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aea3f6b785863cf07972a0aa86d6c9d8d4a902b3
引用元: https://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1589725898/