政府が緊急事態宣言を全国に拡大したことを受け、携帯大手3社は17日、新型コロナウイルス感染防止に向けた販売店の対応策を発表した。3社がそろって全国で時短営業を実施することになるが、営業時間やサービス内容はそれぞれ異なるため、利用者は注意が必要だ。NTTドコモは店頭でのサービスを一部縮小し、ソフトバンクはオンライン手続きの事務手数料を無料にする。
ドコモの販売店では21日から故障以外の機種変更、住所変更などの受け付けを中止する。新規契約や修理の申し込みは引き続き店頭で可能だが、一部の業務をネットに限定することで来店客を減らす。ドコモは4月初旬から閉店時間を午後4時に前倒しして、いち早く全国での時短営業に取り組んできた。
ソフトバンクはこれまで一部の地域で実施していた時短を全国に広げ、閉店時間を午後4時とする。店頭では新規契約や修理、機種変更が可能だが、ネットでの機種変更や新規契約にかかる手数料3000円(税抜き)を21日から当面無料にし、ネットでの手続きを促す。
KDDI(au)はネット広告などで来店を控えるように周知するが、業務内容は縮小しないとしている。時短営業を全国に広げ、営業時間は午前11時~午後5時、または正午~午後6時までとする。
携帯各社が17日にコロナ対策を発表したのは、総務省が同日、携帯電話販売店で新型コロナの感染拡大を防ぐ取り組みを強化するよう、業界団体の電気通信事業者協会(東京・千代田)に要請したためだ。
全国携帯電話販売代理店協会(東京・渋谷)の渋谷年史会長は取材に対し「時短営業などで感染防止を図りつつ、通信サービスの利用に必要な業務を続ける」と述べた。一部代理店は飛沫感染を防ぐため、カウンターにアクリル板の仕切りの設置を進めている。
8日に携帯通信サービスを始めた楽天は既に全国の携帯ショップを順次休業している。楽天の契約者はオンライン経由が大半のため、いち早く休業に踏み切った。
2020/4/18 9:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58229000Y0A410C2000000/