【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は9日、中国の国有通信大手、中国電信(チャイナテレコム)に与えた事業免許の取り消しを検討すると発表した。中国政府が同社を通じてサイバー攻撃を仕掛けたり情報を盗んだりすると懸念しており、「安全保障上の脅威」と認定した。米国は通信機器や通信サービスを手掛ける中国企業への警戒を一段と強めている。
司法省や国防総省などの政府機関が、通信会社を監督する米連邦通信委員会(FCC)に対し、チャイナテレコムの免許を取り消して停止するよう勧告した。同社は米国で国際通信事業を展開している。FCCも中国への警戒が強く、勧告を受け入れる公算が大きい。
チャイナテレコムは「これまで規制当局に極めて協力的で透明性を確保してきた」と反論し、米政府に見直しを働きかけていく方針を示した。
FCCは2019年5月、中国国有通信最大手の中国移動(チャイナモバイル)による米国参入の申請を却下した。過去に免許を与えた中国電信への対応も焦点になっていた。
2020/4/10 6:20 (2020/4/10 6:59更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57899310Q0A410C2000000/