日本の「教育格差」は顕著であり、ほとんどの場合「生まれ」で最終学歴が決まってしまうという。
早稲田大学准教授の松岡亮二氏が昨年7月に上梓した『教育格差』(ちくま新書)が話題だ。膨大なデータを丁寧に分析し、日本の「教育格差」の実態に迫っている。
発売中の「文藝春秋」4月号では松岡氏と慶應義塾大学教授の中室牧子氏との対談が実現。このまま教育格差が広がれば日本はどうなってしまうのか、徹底的に議論した。
「生まれ」で最終学歴が決まってしまう
詳しくは拙著に様々な視点によるデータをまとめましたが、端的に述べますと、戦後日本社会はいつの時代も、「出身家庭の社会経済的地位(経済的・文化的・社会的要素を統合した地位)」と「出身地域」という、本人が選んだわけではない「生まれ」によって最終学歴が異なる「教育格差社会」です。日本全体を対象とした大規模社会調査のデータを分析すると、出身家庭の社会経済的な状況に恵まれなかった人や地方・郡部の出身者が非大卒にとどまる傾向が、どの世代・性別でも確認できます。こうした日本の教育格差を経済協力開発機構(OECD)のデータで国際比較すると、OECD諸国の中では平均的です。つまり日本は国際的にみて「凡庸な教育格差社会」だといえます。
日本では教育格差がタブー視される…
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https://bunshun.jp/articles/-/36893
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