このところプログラミング教室に通うビジネスパーソンが増えているという。これからの時代は、ビジネスの多くがITと一体化してくるので、その基礎となるプログラミングを学んでおいて損はないだろう。ただ、一部からは中途半端にプログラミングを学んでも意味がないとの声も聞こえてくる。ビジネスパーソンがプログラミングを学ぶことについてどう位置付ければよいのだろうか。
今年度から小学校でプログラミング教育が必修化されたこともあり、プログラミングを教えるスクールの多くは子ども向けだが、一般的なビジネスパーソンを対象としたスクールも出てきている。すべてがオンラインで完結するタイプと、教室に通うタイプのものに大別できるが、中には忙しいビジネスパーソンを意識して、1週間の集中コースを設定しているところもある。
内容や水準はさまざまだが、一般的なビジネスパーソン向けとしては、HTML、phpなどWebサイトの構築に必要となる基礎的な言語を学ぶというものが多いようだ。たいていのスクールが実際にコードを書くカリキュラムとなっており、単なる知識として覚えるというよりは、実践的に取り組むという部分に重点が置かれている。分からないところがあった場合には、指導員が随時、アドバイスしてくれるというイメージだ。
一般的なITツールの操作はもちろんのこと、プログラミングについても、とにかく触ってみるのが一番であり、習うより慣れろ、という言葉がもっともしっくりくる分野である。ITスキルが高い人は、子どもの頃から、誰に教わるでもなく、こうしたツールを使いこなしているので、極論すると自己学習能力がある人はスクールにすら行く必要はない。
ただITに対して多少の抵抗感を持っている場合、自主的にプログラミングをやってみるという一歩が踏み出せない可能性が高いので、スクールに通うというのはひとつのきっかけになるだろう。スクールでの習熟度がどの程度なのかはともかくとして、一度やってみて損はない。
しかしながら、ビジネスパーソン向け講座は、本格的なプログラマーを養成するためのカリキュラムではないので、何を目的に受講するのかという部分をしっかり把握しておかないと、ムダな投資になってしまう可能性がある。一部から指摘されているプログラミング教育の弊害というのも、おそらく同じ文脈で考えてよいのではないだろうか。
日本人に欠けている論理性と抽象思考
小学生や一般的なビジネスパーソンに対して行われるプログラミング教育は、職業訓練としてプログラムを学ぶことではなく、IT的な考え方、思考回路を身につける部分が重視されている。IT的な思考回路というのは、論理性と抽象化の2つに集約できるが、実はこの2つは日本人が極めて不得意としている領域でもある。
プログラミングを通じて、論理性と抽象思考をトレーニングできれば、ITシステムそのものに対する理解が深まるだけでなく、一般的なビジネスの進め方についても改善が見込めるだろう。日本人の仕事の進め方がグローバルで通用しないという話をよく聞くが、それは英語ができないからではなく、論理的な思考が苦手で、かつ抽象化という概念を欠く人が多いからである。
以下ソース
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70624
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1582716232/