舞台で度々話題になるのが、観劇マナーについて。特に、携帯電話やスマートフォンの電源については、
その音や光が観劇の妨げになるほか、電波がワイヤレスマイクやイヤーモニターなどに影響を及ぼす場合もあります。
そんな中、ある劇場で開園前に配布された1枚の注意事項が「変わっている」「ちょっと面白い」と話題になっています。
オスカー・ワイルドの喜劇「まじめが肝心」の劇場で配られた注意書きには、「携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの
音や光の出るものは、他のお客様のご迷惑となりますので、必ず電源よりおキリいただけますようお願いいたします」という、
オーソドックスな注意書きに加えて、「劇中セシリーという名の登場人物がおります。iPhoneをお使いの方はSiri機能を
お切りいただけますようお願いいたします。高確率で反応いたします」という見慣れない注意書きが。
この注意書きをTwitterで公開した劇評家の北村紗衣さんも、「これはなかなか見ない注意事項だと思いました」と
コメントしています。
この公演の主催、制作を務める松村久美子さんによると、実際に稽古中にSiriが反応したため、このような注意事項を
入れたにしたとのこと。iPhoneに入ってるアシスタント機能「Siri」は、名前を呼びかけると本体に触れずにSiriを
起動・操作できる「Hey Siri」を備えており、今回の舞台では、この機能が「Siri」に似た「セシリー」に反応してしまったものと思われます。
なお、セシリーのつづりは「Cecily」。日本語で読む際には同じ「リ」ですが、Siriとは「l」と「r」が異なります。
日本語話者は、このlとrの発音の区別が苦手な傾向にあるため、日本語版のSiriでは、他言語よりも「セシリー」という
言葉でSiriが反応しやすくなっています。今回の注意書きは、日本ならではの「喜劇」だと言えそうです。
劇中の登場人物の名前でSiriが反応してしまうのはなかなかないことですが、通常と同様にきちんとiPhoneの電源を
落としておけば、問題なく観劇ができるとのこと。観劇の際は、基本のマナーに加え、その公演ごとのルールもしっかりと
チェックしておくのが良さそうです。
引用元: http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1581149953/