【ニューヨーク=宮本岳則】米有力アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントがソフトバンクグループ株を取得したことが6日、明らかになった。投資額は25億ドル(2725億円)以上で、保有比率は発行済み株式数の約3%に達しているとみられる。ハイテク企業への投資判断について懸念を示し、企業統治の改善を求めているもようだ。
関係者によると、エリオット幹部は1月下旬、ソフトバンクGの孫正義会長兼社長や後藤芳光・最高財務責任者(CFO)、ハイテク投資ファンド「ソフトバンク・ビジョンファンド」を統括するラジーブ・ミスラ副社長と面談し、直接懸念を伝えたようだ。エリオット広報担当者は「株式市場が(ソフトバンクGの)保有資産ポートフォリオの価値を過小評価している」と指摘した上で、「経営陣と協調して非公開に対話を重ねている」と述べた。
エリオットが問題視しているのは、ソフトバンクの投資先決定プロセスだ。シェアオフィス「ウィーワーク」運営のウィーカンパニーへの出資では、事業実態とは大きくかけ離れた割高な価格で同社株を取得し、巨額損失の計上を迫られた。ウーバーテクノロジーズなど上場を果たした出資先も株価低迷が続く。ソフトバンクの広報担当者は「あらゆる株主からのフィードバックを歓迎する」とコメントした。
エリオットは世界で最も活動的なアクティビストの1つだ。運用総額は380億ドル超。米投資銀行ラザードの調査によると、2019年は欧米・アジアの14の投資対象に対して経営戦略の見直しなどを迫った。1年間の提案活動数はアクティビストの中で世界最大だ。かつてアルゼンチンや韓国といった国家を相手に訴訟を起こしたこともあり、動向が常に注目されている。
エリオットは資金力を生かし、世界の大型株を標的にし始めている。現在の投資先で最大とみられているのが米通信大手AT&Tだ。19年9月の声明では30億ドルを投じていると明かしていた。ソフトバンクGへの投資はAT&Tなどに次ぐ大型案件と見られる。AT&Tは19年10月、エリオットの要求を一部受け入れ、株主還元の充実や資産売却を柱とした3カ年計画を公表した。
2020/2/7 5:19 (2020/2/7 6:27更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55366100X00C20A2000000/
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