ついに強行される消費税増税。これにより、消費の伸び率が下がり、やがて「リーマンショック超えの大災厄が起きる可能性があるという。
▼97年3%→5%から始まった日本の凋落
消費増税で何が起こるかが、知られていない
中略
財務省の勝利の最大のポイントは、経済学者を押さえたことです。
学者が真実を語れば、それがメディアを通じて政治家と世論に伝わり、増税を止める状況をつくれたかもしれませんが、吉川洋(東京大学名誉教授)、土居丈朗(慶應義塾大学教授)、伊藤隆敏(東大・一橋大学名誉教授)といった主流派の経済学者がほぼ全員財務省の意向を汲んでいますから、その意向に反するような情報はメディア上ではごく少ないという状況が長く続きました。データそのものは政府が隠さずに公表していましたが、それをちゃんと加工してメッセージを伝えるという作業を、経済学者、エコノミスト、ジャーナリストがほとんど行ってこなかったのです。
それゆえか、実際に消費税率を上げたときに何が起こるのか、あるいは起きたのかについての基本的な事実が、世間にまったく知られていないのです。
実際に私の研究室で、エコノミストの島倉原さんとデータをさまざまに分析していく中で、「学者を押さえる」ということが、長期的にどれほど恐ろしい影響をもたらすかをまざまざと思い知りました。
まず、増税した瞬間に個人消費がほぼ増税分だけ減ります。なぜなら、家計の出費額はモノの購入と税金とに分けられますが、今どき国民の可処分所得の金額は増税する前でも後でも別に変わりませんから、家計の出費額もそのまま。だから、税金が増えればモノの購入額は必然的に減ります。単純な話です。すると、実質的な需要が減って、必然的に売れるモノが減るわけです。
この短期的な影響以上に恐ろしいのは、消費の伸び率への影響で…
続きはソース元で
https://president.jp/articles/-/30039
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