米マイクロソフトは8月末、マージャンで人間のトップ級に相当する人工知能(AI)を開発したと発表しました。既にAIが人間の最高位に勝った将棋や囲碁と比べ、マージャンは運の要素を含む複雑なルールのため、AIが勝つのは難しいとも言われてきました。高度なゲームでのAIの進歩は社会にどんな影響をもたらすでしょうか。
マイクロソフトのAIが参戦したのは、人間同士がオンラインで対戦できる「天鳳」というゲームです。約35万人が参加するうち、同社製は、人間では約30人しかいない「10段」にAIで初めて到達しました。
10段の上には12人いる名人級の「天鳳位」があるだけです。プロマージャンリーグ「Mリーグ」に参戦し、天鳳位の経験もある朝倉康心氏は、AIの対局データをみて「瞬時の判断では確実に人間を上回っている」と述べています。
マージャンは攻めと守りが局面ごとにめまぐるしく入れ替わり、損得を判断するのはプロでも難しいといわれます。朝倉氏は「もう少し戦略的な判断を磨けば、人間の最高位を上回る日も来る」と話していました。
AIはいままでもマージャンに挑んできましたが、マイクロソフト製がトップ級に達したのはなぜでしょうか。東京大大学院時代からマージャンAIを開発してきたHEROZのエンジニア、水上直紀氏は「機械同士の対戦を採用したのが大きい」と語ります。
従来は、人間の過去の対局データを膨大に読み込んだうえで、AIが優れた手を見つける開発手法が主流でした。対してマイクロソフト製は、AI同士を戦わせる「自己対戦」と呼ばれる手法を採用しました。
マージャンは136枚あるパイのうち一部しか目に見えないため、人間の対局データからは本当に最善の手が選ばれたかはわかりません。一方、AI同士の対戦シミレーションでは盤上も含めすべてのパイが見える状況をつくり、最善手が何かを計算で導き出します。これにより実際のゲームでも「より高度な手を打てるようになった」と水上氏はみています。
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引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1569737245/