アップルほか米大手IT企業がチップ不足を懸念し、サムスンと協議すべく幹部らを韓国へ派遣したとの噂が報じられています。この動きは、韓国に対して日本による半導体材料の輸出規制強化を受けてとのことです。
韓国メディアKorea Heraldの業界情報筋によると、アップルやアマゾン、マイクロソフトやGoogleといった米IT大手各社は、日韓貿易摩擦の影響を判断するため、それぞれ役員および従業員を韓国に派遣したと報じています。特に懸念されているのが、サムスンのDRAMメモリチップ生産に影響を与える可能性についてとのこと。
その中でも重点を置かれているのが、アップル製品に対するもの。「サムスンはiPhone向けのDRAMおよびNANDフラッシュメモリチップの主要サプライヤー」という事実が強調されています。
日本が韓国に対して事実上の輸出規制強化(ホワイト国のリストから外す手続きを開始し、包括輸出許可をやめて個別に許可申請を求めて審査する)の対象としたフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素は、スマートフォンの重要部品を製造する上で不可欠な化学物質です。
まずフッ化ポリイミドはディスプレイの製造に使われ、レジストはシリコンウェハーに回路パターンを転写するための感光剤であり、フッ化水素はシリコン基板の洗浄に使用されます。いずれも、不足すれば製造に重大な支障をきたす素材です。
Korea Heraldによると、米IT企業らはレジストを必要とする、極端紫外線リソグラフィ(EUV)技術を用いたサムスンの次世代DRAMチップの生産スケジュールをチェックしたとのこと。サムスンは、ほとんどのレジストを日本から調達しているためです。
さらに輸出規制が続くなら、サムスンによる次世代半導体の製造計画はある程度は遅れるとの予想も伝えています。
その一方、台湾DigiTimesは日韓間の貿易摩擦の拡大が、アップルからのOLEDパネル受注競争において中国メーカーBOEテクノロジーを「強力な競争相手」にする可能性があると報じています。同社はディスプレイ製造分野で世界屈指の規模を誇り、2017年には大型液晶パネル出荷で世界首位になったと伝えられていました。
サムスンはOLEDのトップメーカーであり、2017年~2018年にはiPhone向けOLEDディスプレイも独占的に供給していることが知られています。しかし、アップルは唯一のサプライヤーへの依存は避けようとしており、常に複数の企業との「協力」を望んでいるとの方針を明かしていました。
日本からの事実上の輸出規制が一時的なものとしても、この件をきっかけとしてサムスンのIT業界でのポジションは大きく変わっていくのかもしれません。
https://japanese.engadget.com/2019/07/18/samsung-japan/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1563562997/