【プレーバック 平成元年】30年前のワープロ事情を蒸し返す
平成最後の年末・年始です。流行語大賞にはノミネートされませんでしたが、「平成最後の」はわりとメディアで
使われた言葉じゃないでしょうか。というわけで、今から30年前の昭和63年、平成元年を「DIME」のバックナンバーで
振り返ってみます。
30年前のDIMEの人気企画が、企業に質問し、その回答をそのまま紙面に掲載する「業界公開質問状」。
「ワープロは、いずれなくなるのですか?」という問いに対する各社の回答が、今読むと衝撃的です(平成元年10月19日号)。
NEC「ワープロは文書を書く機械として特化されていますから、その必要性はなくならないんじゃないかな」
キヤノン「ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう」
シャープ「人間の扱う道具は使いやすいことがいちばんだと思いますから、ワープロは文書専用機として残るでしょう」
東芝「そんなこと誰が言っているのですか。パソコンとワープロはこれからますます共存共栄していきますよ。
今はワープロとパソコンの台数がほぼ同数ですが、将来的には、ワープロ10に対してパソコン1ぐらいの割合になると思います」
富士通「たとえば車の会社を考えてみてください。セダンをワープロとすれば、パソコンはトラックに相当します」
松下電器「5年前、パソコンの普及台数は100万台、今は120万台と伸びはゆるやかです。一方、ワープロは30万台が
280万台にまで伸びています。この数字を見ただけでも、パソコン社会よりワープロ社会到来の方が早いと考える
材料になります」
どうですか、すごくないですか? まだワープロを生産している企業の担当として、うかつなことを言えないのもわかりますが、
まさかの全否定。まぁ、答えた担当者も30年後に蒸し返されるとは思ってなかったでしょうけど。
フォローしておくと、パソコンも作っていたNECのコメントはさすがです。
NEC「ただ、パソコンとワープロは分解すれば同じもの。基本的にはイコールなので、どちらかが消えることになっても
それは単に名前が変わっただけってことになると思います」
レコード会社の「レコードはなくなりますか?」という質問に対する回答も見てみましょう。
東芝EMI「近い将来、ハードがなくなればなくならざるをえないでしょう。とりあえず、来年はまだ持ちそうですが、5年後にはないでしょうね」
ヴァージン・ジャパン「アナログはなくなりますよ。現時点においてもほとんど皆無ですから」
ポニーキャニオン「将来的には、アナログはマニアのためのものになるでしょうね」
弱気ながらも割と当たっています。しかし、当時はCDが非常に売れていた時代。まさか、ネットでのストリーミングや
ダウンロードがここまで普及するとは、30年前に予測できた人はいなかったでしょう。
引用元: http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1546394072/