https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1148890.html
清水 理史2018年10月22日 06:00
10月15日、NECプラットフォームズから、IPv6通信を高速化する「IPv6 High Speed」対応の新ファームウェアがリリースされた。これによって見えてきたのは、「v6プラス」や「transix」といったIPoE IPv6を利用したインターネット接続の通信速度が、ルーターの性能によって大きく変わるという事実だ。
元々速かった製品、ファームウェアのアップデートで速くなる製品、未対応の製品があることを知らないと、せっかくの高速なインターネット接続環境を生かせないことになる。
AtermWG2600HP3での速度テスト結果。右が出荷時ファーム(1.00)で左がIPv6 High Speed対応ファーム(2.00)。回線はフレッツ光ネクスト、プロバイダーはIIJmioの「FiberAccess/NF」。DS-Liteを採用したtransix環境下でのテストとなる
(略)
他社製品はどうなのか?
しかしながら、ここでひとつ疑問が沸いてくる。
「もともとが遅かっただけなのでは?」
混雑したPPPoEの低速環境を体験してきた人々にとって、旧ファームの150Mbpsでも十分な速度で、それが800Mbpsにもなれば驚異的に思える。しかし、よくよく考えれば、1Gbpsのインターネット接続サービスの帯域をフルに使えるようになっただけとも言える。となると、「むしろ旧ファームの150Mbpsが遅すぎたのではないのか?」という疑問が生まれるのも自然だ。
そこでポイントとなるのが、ウェブページでは「通常のIPv6通信と比較して大幅なスピードアップが期待できる」と記載されている部分のうち、IPv6 High Speedの“通常”という表現だ。
仮に、この“通常”が世間一般に存在するWi-FiルーターのIPv6の実力(通信速度)を指しているのなら、既存ルーターのIPv6の速度も、ある程度で頭打ちになるはずだ。
そこで、今回、とりあえず筆者宅にあった製品、各方面から借り受けた製品、急遽、近所の家電量販点で買ってきた製品、押し入れの奥にしまい込んであった製品(Edge Router ER-8)と、IPoE IPv6対応の製品をいくつか用意し、その速度をチェックしてみることにした。
この数字を、もう少し詳しく見ていこう。
まず、バッファローの「WXR-2533DHP」(DHP2ではない旧製品)だが、これは元々速かったと考えられる製品だ。筆者は、2018年9月12日に公開された最新ファームウェア「1.35」で試したが、700Mbps以上の速度で通信できた。
公表されずに高速化の対応がなされていた可能性もなくはないが、過去のファームウェアの変更履歴を見ても、IPoEに関する速度の改善という項目は見つけられなかったため、IPoE IPv6に関するパフォーマンスは、おそらくここ数カ月で大きく変化していないと推測できる。個人的に周囲のユーザーの反応を見ても、元々速かったと考えるのが妥当だ。
(略)
現状、IPv6 High Speed相当の機能に対応していないWi-Fiルーターを使っている場合であっても、将来的なファームウェアのアップデートによって、同様の高速化機能が実装される可能性はある。現状、遅いと言っても、実効で150~300Mbpsの通信速度が実現できていれば実用上はさほど問題はないので、今使っている製品のまま、しばらく対応を待つのも1つの選択肢だろう。
(全文はソース)
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1540216619/