「多くの国々でビジネスを展開している多国籍企業が、法律の仕組みを利用して法人税の納税を逃れている」という問題については、以前から「不平等だ」という多くの主張を引き起こしてきました。そんな中、韓国では「Google・Apple・Amazonといった巨大な多国籍企業に対して課税する」という方針を打ち出しています。
Korea moving to tax Google, Apple, Amazon
http://www.koreatimes.co.kr/www/tech/2018/08/129_253245.html
韓国にはNAVERやカカオといった巨大な国内IT企業が存在していますが、これらの韓国IT企業はライバル会社となる海外の多国籍IT企業に対し、「韓国で収益を生み出しているにもかかわらず税金が課されていない」という不平等を訴えています。グローバル展開をするIT企業は年間に何十億ドル(数千億円)もの利益を上げていますが、事業を展開する現地国に対して税金を払わないことで、「国内企業と公平な競争をしていない」として批判が浴びせられるケースが後を絶ちません。
多国籍IT企業に対し、韓国の現行法では法人税を課すことができないとのこと。海外の企業に対して法人税を課すためには「韓国内に事業所を置くこと」が必要とされており、アメリカや中国、アイルランドといった国々に拠点を置く多国籍企業は「韓国には事業所がないため、法人税を支払う義務はない」という言い逃れができるのです。
この法律により、たとえ韓国内でどれほど巨額の利益を上げていようとも、「事業所がない」というだけで多国籍企業は韓国に対して税金を支払わなくて済んでしまいます。韓国内では、「AmazonやGoogle、Appleといった巨大IT企業は大きな利益を韓国で得ているのに、納税という社会的責任を果たしていない」という批判が出ている模様。
また、競合他社となる韓国内のIT企業からも「国内企業は法律を遵守して税金を納めているのに、海外企業は税金を納めずに事業を広げることができる『逆差別』が発生している」として、大きな論争が巻き起こっています。韓国の与党である民主党の政策顧問を務めるAhn Jeong-sang氏は、多国籍IT企業の税金逃れを解決することが急務だとして、「企業活動がデジタルの場に広がった時勢をふまえ、従来の固定的な事業所の概念を拡大する必要がある」と述べています。
たとえば、IT企業が巨大なデータのやり取りをする場合、海外からいちいちデータを転送するのは非常に困難であるため、一時的にデータを保存するローカルキャッシュサーバーを事業を展開する国に置いているケースがあります。このように、「企業が事業に利用する設備が韓国内にある場合、それは企業の拠点が韓国内にあると判断するべきではないか」という発想の転換を検討しているとのこと。
ソウルに本拠を置くIT企業の関係者は「国内企業に対する規制があまりにも多く、韓国企業と多国籍企業との逆差別化が深刻です」と述べており、韓国で得た巨額の広告利益を本部に送るGoogleのような多国籍企業に対し、公正な税制が課されるべきだと語りました。
2018年08月03日 13時00分
https://gigazine.net/news/20180803-korea-moving-tax-global-companies/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1533270467/