これは、浮いた分のお金を企業が設備や従業員に投資することを期待しての施策だそうですが、実際には、多国籍企業では法人税率がもっと低い国を利用して租税回避を行ってるため、国の利益につながっていないことが指摘されています。
The missing profits of nations | VOX, CEPR Policy Portal
https://voxeu.org/article/missing-profits-nations
コペンハーゲン大学の研究者トーマス・トルスロフ氏らによると、たとえばGoogleの親会社であるAlphabetは2016年、法人税率が0パーセントのイギリス領バミューダ諸島で192億ドル(約2兆円1300億円)の収入を得ています。
Alphabetはバミューダ諸島に有形資産を所有せず、従業員もほぼいないにも関わらずです。
租税回避を目的に利用されるタックスヘイブンを巡っては、2016年に「パナマ文書」、2017年に「パラダイス文書」で、それぞれ大企業の資産隠しが指摘されています。トルスロフ氏の調査によると、文書が公開される以前の2015年の時点で多国籍企業が上げた利益の40%は人為的にタックスヘイブンに移されていたとのこと。
トルスロフ氏らは、こうした租税回避を行った場合、「課税対象利益に対する賃金割合」がおかしなことになることに気付きました。その一例が可視化されたものが以下のグラフです。
縦軸で示されているのが「課税対象利益に対する賃金割合」で、薄い色は海外企業、濃い色は国内企業を指しています。おおむね、国内企業ではこの数字は30%~40%に収まり、また、タックスヘイブン以外の国にある海外企業もそれほど数字は伸びません。
しかし、タックスヘイブンとして使われている場合は数字が大きくなるので、アイルランドにある海外企業では800%、プエルトリコでは1600%以上にも及んでいます。
EUの場合、企業が租税回避することによって、法人税収入が約20%損なわれているとのことです。
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1533190634/