Amazonには、5段階評価で星とコメントを付けることができる「Amazonカスタマーレビュー」が実装されています。レビューを読んで商品の使い勝手や欠点をチェックしてから購入を決断するという人もいますが、Amazonカスタマーレビューで高評価が集中している商品の中には、業者がレビュアーにお金を払って書いてもらった不正なものが多く存在すると指摘されています。
Some Amazon Reviews Are Too Good To Be Believed. They’re Paid For : NPR
https://www.npr.org/2018/07/30/629800775/some-amazon-reviews-are-too-good-to-be-believed-theyre-paid-for#
AmazonのレビューをチェックしているFakespotやRevieMetaは、人気商品のレビューの半分以上が有償で書かれているインチキレビューだと主張しています。
アメリカの非営利ラジオメディアであるNational Public Radio(NPR)は、企業からお金を受け取ってAmazonのレビューを書いている人物に取材をしています。彼らレビュアーは気になる商品をAmazonで見つけると、その商品の販売業者と連絡を取り、条件を交渉します。だいたいの場合は、レビュアーが商品を購入して5つ星のレビューをつけると、販売業者は購入分の代金をいくばくかの「手数料」を追加して払い戻します。
LANケーブル・懐中電灯・プロテイン・ウエストポーチなどを中心に、Amazonでレビューを書いているというトラヴィス(仮名)氏は、月200ドル(約2万2000円)の収入を得ているとNPRに明かしています。トラヴィス氏によると、「クーポンやプロモーションコードを使わないでください」「Amazonの正規リンクで注文してください」「アイテムを受け取ってから4~5日してレビューを書いてください」など、Amazonのレビュー審査アルゴリズムを避けるために細かい指示を送る販売業者もいるとのこと。「特に最後の指示は非常に重要です。製品を受け取ってからすぐに感想を書けば、まともにレビューしていないと疑われてしまうでしょう」とトラヴィス氏は語っています。
一方でAmazonは、レビューの信頼度は疑う余地がないと主張しています。Amazonのコミュニティショッピング担当副社長を務めるシャロン・キアレッラ氏は「Amazonによる概算では、Amazonにあるレビューのうち不正確なものは1%未満です。Amazonはレビューが本物であるかどうかを審査するアルゴリズムを多く開発しています」と述べています。キアレッラ氏によると、Amazonは過去3年で不正確なレビューを書いたとして1000人以上を取り締まってきたそうです。
Mozillaの特別研究員であり、オンライン上の不正な情報を調査する「New Knowledge」の研究ディレクターであるリネー・ディ=レスタ氏は、有料レビューを委託する企業の多くが中国の大手オンラインマーケット「Alibaba」に出店している中国ブランドだと指摘しています。こうした中国ブランドは米国市場にも浸透しようと努力しています。「Alibabaだとアメリカから注文してから到着するまで6~8週間ほどかかってしまいますが、Amazonならアメリカ市場にすばやく展開することができます。Amazonブランドの流通と信頼をそのまま活用できると中国ブランドは考えているのでしょう」とディ=レスタ氏はコメントしています。
Amazonブランドに便乗する手法の1つとして、レビュアーにお金を支払って5つ星を自作自演する企業も存在しているわけですが、結果としてこの行為がAmazonブランドに深刻な影響を与える可能性があります。「Amazonが不正なレビューを取り締まり続けても、レビュアーはAmazonの取り締まりを回避するような方法を見つけ続けることでしょう。この問題には解決策はないかもしれません」とディ=レスタ氏は語っています。
https://gigazine.net/news/20180731-amazon-review-paid-for/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1533046965/