GIGAZINE 2018年06月28日 23時00分 ソフトウェア
https://gigazine.net/news/20180628-facebook-phones-record-audio/
FacebookはTV広告の中に人間の耳には聞こえない音を織り交ぜることで、ユーザーのスマートフォンに秘密裏に音声データを録音させる、という驚がくのソフトウェアを開発していることが明らかになっています。
BROADCAST CONTENT VIEW ANALYSIS BASED ON AMBIENT AUDIO RECORDING
(PDF)http://www.freepatentsonline.com/20180167677.pdf
2018年6月14日に公開された特許出願から、Facebookの研究部門は携帯電話に「周囲の音声を録音するように」と秘密裏に命令することができるシステムを開発していることが明らかになっています。FacebookなどのSNSは、プラットフォーム上で繰り広げられる「ユーザーの会話」を分析することで個々人が関心を持っている物事を推測し、ユーザーそれぞれに合った広告を表示しています。しかし、FacebookはSNS上のテキストだけでなく普段の会話まで盗み聞きすることをもくろんでおり、それにより広告表示の精度をより高めることを目指しているのではないかと、イギリスの無料日刊紙として人気の高いメトロが指摘しています。
特許出願によると、Facebookが開発するのは「人間の可聴帯域を超えるデジタル音」をTV広告で流し、それを聞いたスマートフォンにより周囲の音を録音させるという技術。Facebookは「機械のノイズ音、遠く離れた場所にいる人間の動きや会話など、特定の場所における明瞭な音から微妙な音まで録音する」と記しているそうです。なお、Facebookによる特許出願は、「アンビエントオーディオの録音に基づく放送コンテンツビュー分析」と呼ばれています。
特許出願に添えられていた、TVがスマートフォンのソフトウェアに向けて秘密裏にメッセージを送信する方法を示す図。
録音した音声データを分析し、ユーザーに関する情報を特定すると共に、データはオンラインシステム上に格納されるとのことです。なお、録音された音声データは「誰がTV広告を視聴したのか?」や「その人物はどのようなコンテンツを利用したのか?」などを調べるために利用される模様。
TV広告で流される「人間の可聴帯域を超えるデジタル音」
https://i.gzn.jp/img/2018/06/28/facebook-phones-record-audio/s02.png
また、録音した音声データを詳細に分析すれば、TV広告を出した広告主は「広告中にユーザーがTVの前でかじりつくように映像を見つめていた」のか、それとも「遠く離れた場所で別のことを行っていたのか」なども知ることができるようになる、とメトロは指摘しています。実際に音声データだけでどうやってユーザーの行動を推測するのかというと、例えば「録音された音声データの音が聞こえない、あるいは遠くに音が聞こえる、という場合はユーザーが遠く離れた場所にいることを示し、大音量で明瞭に録音されていればしっかりとTVの前で広告を見ていたことになる」とメトロは記しています。
ユーザーがTVにかじりついて見るほど好きな広告と、どうでもいいと言わんばかりにTVの前から離れてしまう広告について知ることで、Facebookはユーザーに適した広告をスマートフォンの画面上にも表示できるようになるとの指摘もあります。
ただし、Facebookが特許出願の中で「ユーザーの私生活を盗み見て、プライバシーを侵害し、親密なもの同士の会話を録音し、家中を広告だらけにする」などと言及しているわけではなく、あくまでも「アンビエントオーディオの録音に基づく放送コンテンツビュー分析」というシステムとして特許出願が提出されています。海外メディアのGizmodoも、「特許出願は法律用語で書かれており、オーディオデータがどのように扱われることになるのかは少し曖昧」と記しています。
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https://gigazine.net/news/20180308-facebook-spying-on-you/
引用元: http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1530437925/