天皇陛下の退位と、皇太子さまの即位に伴って元号が改められる「改元」まであと1年となり、各地の自治体は、文書やシステムといった分野で改元を見据えた対応に乗り出しています。
政府は、皇太子さまが即位される来年5月1日、元号を改める「改元」を行う方針です。
東京 大田区は、改元を見据え、先月から住民向けの文書について、これまで使っていた和暦に加え、必要に応じて西暦を併記することにしました。
例えば今月発行された住民向けの広報紙では、来年6月からスポーツ施設が休場するという記事で、「平成31年」と「2019年」を併記しました。
また、数年にわたる長期計画などでも、西暦を併記するということです。
一方、さまざまな書類で元号の表記を改める必要があり、戸籍や住民票、それに健康保険などの申請書に限っても、53種類のうち46種類で書式の変更が必要だということです。
さらに、住民基本台帳ネットワークなど各種のシステムで、改元に対応する改修が必要で、大田区は、一連の費用としておよそ6000万円を今年度の予算に計上し、対応に万全を期したいとしています。
大田区戸籍住民課の杉村由美課長は、「区民の皆様の手続きに混乱がないよう、課題を解決していきたい」と話しています。
■パソコンソフトは暫定措置も
パソコンの基本ソフトを提供するマイクロソフトは、企業などのユーザーが、新たな元号に対応するシステム改修に早めに取りかかれるよう、暫定的な措置を取ることになりました。
マイクロソフトが提供する基本ソフト「ウィンドウズ」には、西暦と和暦とを変換する機能があり、ウィンドウズが使われているシステムで和暦を用いている場合、新たな元号に対応するための改修が必要となります。
複雑なシステムでは、改修に数か月から1年ほどかかる可能性もあるということで、
マイクロソフトは、企業などのユーザーが、新たな元号の発表を待たずにシステム改修に取りかかれるよう、「ウィンドウズ10」を対象に、暫定的な措置を取ることになりました。
来年5月1日以降の日付を西暦から和暦に変換する際に、元号の代わりのいわばダミーの文字として、「?」が2つ表示されるようにするもので、新たな元号の発表後に、ダミーの文字と置き換えることになります。
「日本マイクロソフト」の田丸健三郎業務執行役員は「大規模な改修が必要な場合、時間的な余裕がなくなるおそれもある。ユーザーの要望に応え、今後も可能な限り対応を前倒ししたい」と話しています。
■はんこメーカーも準備着々
書類などの元号の修正を想定した準備が、「はんこ」のメーカーの間で早くも進んでいます。
東京 豊島区にあるはんこの製造販売会社では、昭和から平成に元号が改められた際、書類などの元号を修正するためのゴム印の注文が殺到したといいます。
「平成」のゴム印に加え、「昭和」の表記を修正する「二重線」のゴム印も製造が追いつかなくなり、連日、社員が総出で深夜まで働いて、なんとか注文に応じたということです。
この会社は、天皇陛下の退位が正式に決まったあと、書類の元号の修正を想定した商品を紹介するホームページを作成しました。
前回の改元では、材料の木材などが不足して納品に支障が出たということで、1年後の改元に向けて、材料を確保する準備を進めています。
この30年で、紙を使わない「ペーパーレス化」が進んだほか、改元に先立って新たな元号が発表され、書類の修正などに充てる準備期間がありますが、それでも、ゴム印の需要は高まるとこの会社はみています。
はんこ製造販売会社の小嶋茂男社長は「ゴム印は簡単に使えるという利点があり、改元を商機と考えています。商品の安定供給に努めたいです」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180430/k10011423461000.html
引用元: http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1525084309/