中略
問題は、なぜ賃金が上がらないのかということだ。本書は、生産性が上がらないからだとしている。それは正しい。付加価値が増えなければ、賃金を増やせない。それでは、なぜ生産性が上がらなかったのか。私は、産業政策の失敗だと思う。かつて日本の家電産業は、世界最強だった。しかし、いまや国産のスマホやパソコンを使う人は少数派になってしまった。
物価安は、日本が発展途上国に転落したことを意味する。インバウンドはあるが、日本人は海外旅行に行けなくなる。優秀な人材は海外流出し、大部分の日本人は、海外企業に安い賃金で雇われるしかなくなる。それをどう防げばよいのか。著者は断言を避け、複数の有識者のインタビューに委ねている。その意見はさまざまだ。ぜひ本書を読んで読者自身が考えて欲しい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d17dc501eaec97f0db9da80966ac22366c2484a1
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