日本が抱える借金の規模が、太平洋戦争の末期とほぼ同じ水準になっているという。
借金の推移を示すグラフは二度大きな山を描いており、一度目は敗戦後の極端なインフレで帳消しになる一方で国民の資産も失われた。現在も編成作業が大詰めに入った二〇二〇年度当初予算案は過去最大になる見通しで、巨額借金の帰結がどうなるのか、誰も答えを見いだせていない。
「戦前・戦時期の金融市場」を著した東京海上アセットマネジメントの平山賢一氏の分析では、一八年度の国内総生産(GDP)に対する借金残高比率は200%。終戦前年一九四四年度は国の借金の経済規模に対する比率は204%で両者はほぼ同じ水準だ。
一九年度四兆五千億円の補正予算案に加え、二〇年度当初予算案も二年連続の百兆円超えの見通し。借金残高はさらに上昇する。
戦時発行された国債は戦後のインフレで価値を失い、購入していた一般国民が大きな損失を被った。今は大規模金融緩和の一環で日銀が国債を大量に買い入れ所有する。
日銀元審議委員木内登英(たかひで)氏は「日銀の買い入れで財政規律が緩んだ」と指摘。「借金は結局、将来世代へのツケ回し。企業が将来の増税などで消費が落ちるとみなし、賃金や設備投資を抑える弊害もすでに生じている」とみる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201912/CK2019121702000155.html
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