マー氏は引退に際し、アリババの社員たちに対して、ビジョンと社会に対する責任感を持ち続け、社会に貢献する企業であり続けるよう語りかけた。そのスピーチは高い志と説得力に満ちた内容だった。
アリババの成長を支えた政府との絶妙な距離
だが、1カ所だけ引っかかりを覚える部分があった。「今日、私たち中国人は非常に自信を持っているが、自分たちの自己認識と、私たちに対する世界の認識は大きく異なっている。 世界は中国を恐れている。技術を恐れている。強い会社を恐れている」という一節だ。
その後には「技術が善意から出発することを望む」と続く。素直に聞けば、中国企業だからこそ課せられたハードルがあり、だからこそ正しい思想で技術を活用していこうという自己認識と決意を述べたにすぎないのかもしれない。だが、米中貿易戦争の渦中にある中国政府の敏感な部分を刺激しかねない微妙な文言をあえて残したのはなぜなのか。
昨年11月…
続きはソース元で
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00019/091300094/
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