イングランド銀行(英中央銀行)総裁は、イギリスの新しい50ポンド紙幣の肖像に、コンピューター科学の先駆者で暗号解読者のアラン・チューリング(1912~1954年)を採用すると発表した。
アラン・チューリングとは
1912年にロンドンで生まれたチューリングは、パブリック・スクールのシャーボーン校からケンブリッジ大学へと進み、数学で最優等の成績を収めた。第2次世界大戦中には英南部にある「ブレッチリー・パーク」で、その数学の才能を発揮して暗号解読機を開発。これによって、ナチス・ドイツの海軍作戦の暗号通信「エニグマ」を傍受・解読する英軍の作業が加速した。
「エニグマ」解読のほかにも、英国立物理学研究所で初期のコンピューター開発に着手し、後にマンチェスター大学で研究を進めた。演算処理を機械に命令する「アルゴリズム」の概念確立に貢献し、現在のコンピューターの基礎を作った。人工知能の分野でも先駆的な役割を果たし、機械に「知能」があるかどうかを測る「チューリング・テスト」などを編み出した。
1952年に、当時19歳の少年と性的関係を持ったとして、わいせつ罪で有罪になる。禁錮刑の代わりに、薬品投与による「化学的去勢」を伴う保護観察処分を選んだ。イングランドでは1967年まで一切の同性愛行為が違法だった。
「化学的去勢」を受け続けたチューリングは、42歳の誕生日を目前に、1954年6月に死亡しているのが発見された…
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https://www.bbc.com/japanese/48991921
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