赤と青の陣取りゲーム。
Computex 2019にて、半導体メーカー大手のIntel(インテル)とAMD(エー・エム・ディー)がそれぞれ基調講演をしました。そのふたつを見て思ったのが…あれ? Intel危うくない? という感覚。
というのも、IntelとAMDの間柄は長らく「高性能のIntel(ロゴは青)」と「コスパのAMD(ロゴは赤)」という感じだったんですが、今年はいよいよ「オールラウンダーのAMD」と「状況次第のIntel」という新時代に突入しそうなんです。
ほぼすべてにおいてAMDが追い越す
細かいことをズバッと省いていうと、CPUの性能は主に3つのカテゴリに分けられます。「処理能力」と「 エネルギー効率」と「通信速度」の3つです。
まず処理能力ですが、これは数年前まではIntelが覇権を握っていました。1コア・スレッドひとつひとつの処理速度はもちろん、コア・スレッドの数においてもです。一応ここ数年ではAMDも反撃の姿勢を見せ、「Ryzen Threadripper」などのCPUで多コア・多スレッドの高パフォーマンスを見せていましが、それでも依然として1コアあたりの処理速度はIntelに劣っていると言われていました。
ぞれが、今年発売される第三世代のRyzen CPUで覆るみたいです。「12コアのAMD Ryzen 9 3900X(2019年半ば発表)」 vs. 「12コアの Intel i9 9920X(2018年末発表)」のデモがAMDの基調講演で実演されていたんですが、シングルコアとマルチコアの性能のどちらともにおいて、Ryzen 9 3900Xが勝利しました。基調講演の、それもAMDのデモなのでそのままマルッとは鵜呑みにできませんが、かなり驚きの性能であることは確かです。
しかも。そうやって「処理能力」においてIntelを下しただけでなく、なんと「エネルギー効率」でもAMDに軍配が上がります。CPUが処理中に発する最大の熱量をTDP=ワット数で表すんですが、Intel Core i9 9920Xが165Wであるのに対して、AMD Ryzen 9 3900Xは105Wしかありません。つまり、3900Xは大体2/3の電力しか使っていないのにi9 9920Xより高い処理能力を備えているわけです。WOW。
この驚愕の差を生み出したのは「プロセスルール」と呼ばれるCPU内の配線の細さだと思われます。Intelが14nm以下にたどり着くのに苦戦していた中(今年10nmに到達、自社生産)、AMDは7nmの細さを採用しちゃったんです(5nmも実現しているTSMCが生産)。大雑把にいえば、生産技術ではIntelが1~2世代遅れているということ(トランジスタの密度ではIntelも善戦しているようです)。
そして「通信速度」。CPUとその他機器(GPUやストレージ)との通信帯域を指しているんですが、それがシンプルに2倍になりました。ここ数年のCPUが大体PCIe 3.0という規格で通信していたところを、第三世代の Ryzenシリーズは( マザーボードが新しいX570チップセットを搭載していれば)PCIe 4.0で通信可能。Intelが今日発表し、今年中に手に届くはずという第10世代目のCoreシリーズのCPUでさえ、この新規格には対応していません。
でもこれで終わりではなく…。最後にもうひとつ「オールラウンドのAMD」を極め付ける事実あります。それは、圧倒的なコスパの差。Intelのi9 9920Xが大体$1,200(約13万円)したところを、AMDのRyzen 9 3900Xは大体$500(約5万5000円)でゲットできるんです。そう、半分以下です。
なんてこったい! って感じですよね。性能で勝っている3900Xが9920Xの半分以下で手に入るなんて、もはやコスパどころの話じゃありません。ここまで来るとIntelのCPUを買う理由が消え去りつつあるのでは…?
https://www.gizmodo.jp/2019/05/intel-vs-amd-computex-2019.html
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1559126361/