自分で充電できなくなった携帯電話を「復活」させるKDDIの無料イベント「おもいでケータイ再起動」が9日、大阪市北区の「auOSAKA」で始まった。かつての懐かしい写真やメールを見返した人たちは、笑ったり泣いたり。イベントは11日まで開かれている。
「入った!」
大阪市の美容師、藤井歩(あゆみ)さん(34)は7年前まで使っていた携帯電話を持ってきた。電源が入ると、声が華やいだ。結婚前の夫とのデート写真、職場で撮った同僚との写真、街中で偶然会った有名人との写真。「携帯って、パッと撮れるから本当の日常を切り取っている。こんなに思い出が詰まっていたんですね」
携帯電話は一定期間充電しないと、電池が完全に放電するなどし、充電できなくなる場合がある。イベントでは、専用の機器を使って電池を充電し、携帯を再起動させる。再起動できれば、その後は市販の充電器で充電できるようになるという。au以外でも対応してもらえる。
兵庫県尼崎市の若杉みさ子さん(61)は、約8年前に亡くなった母の携帯電話を手にやってきた。父と母が並んで写ったツーショット写真を見つけ出し、「すっごく、うれしい」と言葉を詰まらせた。
約15年前に亡くなった父は照れ屋で、写真が苦手だった。若杉さんの手元には父母が若かった頃のツーショットしかなく、仏壇にも1人ずつで写った遺影を飾っている。
母が携帯の待ち受け画面にしていたツーショット写真の存在が、ずっと脳裏にあった。若杉さんは来月、父母の面影が残る自宅から、沖縄県へ引っ越す。「ほんまにこれ1枚あれば良いんです。いつも見えるところに飾るつもりです」
兵庫県から訪れた主婦(51)は、12年前に亡くなった父の生前最後の写真を探すため、携帯電話2台を持ってきた。末期がんで緊急入院した父と、手術前に病室で一緒に写真を撮影。2カ月後、父は亡くなった。いつかデータを移そうと思っていたら、電源が入らなくなっていた。
電源が入ると、「ああ、これ主人だ」「何この写真、子どもが勝手に撮ったな」。笑みがこぼれた。だが、父の写真は見つからなかった。「ここに、ないことがわかって良かった」
復活した大学3年の長男(20)と高校1年の次男(16)の幼い頃の写真を、持参したSDカードに保存した。「こんなかわいい時期があったことを思い出せた。今日は子どもたちに優しくできそう」
大阪市内の会社に勤める本郷英樹さん(53)は長男の写真を見て、ほほえんだ。電車の前で直立する長男。小学校高学年の頃、初めて2人で旅行した時の写真だという。「もう見られないと思っていた」。今年4月、東京で就職した長男。年末に帰省した際に見せるつもりだという。
1人で9台も持ってきた人も。…
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引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1541836334/