格安スマートフォン(スマホ)各社が米アップルのスマホ「iPhone」の中古品入手に躍起になっている。iPhoneは日本のスマホ市場の約5割を占めており、顧客の獲得には必須だ。大手キャリアが新品を独占的に販売するなか、格安勢がこぞって頼るのが中古品。iPhoneの有無が競争力に直結するだけに、奪い合いの様相も呈してきた。
「一体どんなルートで手に入れたのか調べろ!」。今年1月、格安スマホ各社の端末担当者に矢のような指示が飛んだ。発端は「マイネオ」を手がける関西電力系のケイ・オプティコムが「iPhone7」「iPhone7 Plus」の新品を売り出すと発表したことだった。
新品のiPhoneを扱えるのは、年間1000万台規模でアップルと契約できる大手キャリアに限られる。その中でマイネオが突如として新品を売り出したことは他社にとって驚きだった。
結局マイネオが手に入れた新品は、中古品を探して流通業者を回っていた時に偶然見つけた在庫だった。競合各社は入手経路を知って安堵したものの、iPhoneはそれだけ喉から手が出るほど欲しい商品というわけだ。
■アップル製、国内の約5割
マイネオは新品に続き、5月に中古iPhoneの販売に参入した。正規中古品と呼ばれるもので、アップルが認定した工場で電池などを取り換えている。状態は新品と比べて遜色なく、海外では新興国を中心に人気が高い。
ただ正規中古品は台数が少ないため、安定して調達しにくいというデメリットがある。マイネオも約500台しか確保できず「在庫が入手でき次第、追加販売したい」という状況だ。
NTTコミュニケーションズも格安スマホ「OCNモバイルONE」でiPhoneの正規中古品を扱っていたが、調達量が安定しないため「ゲオ」など国内の買い取り業者からの仕入れを17年11月に始めた。
新品に比べた割安感が好評といい、年内に月間の販売台数を現在の3倍の5000台に伸ばす。かつて同じNTTグループのNTTドコモに新品iPhoneの共同調達を頼んで断られた過去もあり、中古で攻勢をかける。
各社がiPhoneの仕入れに一喜一憂する背景には、やはり日本市場におけるアップルの圧倒的な強さがある。調査会社のMM総研(東京・港)によると、2017年度の国内のスマホの出荷台数のうち49.9%がiPhoneだった。18年1~3月期の世界市場でiPhoneのシェアである15.6%(独スタティスタ調べ)に比べ飛び抜けて高い。
iPhoneは08年にソフトバンクが独占的に販売したことで注目され、日本のスマホ市場を切り開いた存在だ。日本ではこれまでiPhoneしか買ったことがない消費者も多く、「スマホ=iPhone」の構図ができている。「iTunes」や「iCloud」を使ったデータ移行など、スムーズに乗り換えられることもiPhoneを使い続けるサイクルに拍車をかける。
イオンリテールが運営する「イオンモバイル」はレンタル大手のゲオ(名古屋市)と組み、中古iPhoneを陳列した店舗の出店を始めた。現在は7店舗まで広がっており、iPhoneにこだわる一方で、通信代は節約したいという消費者に支持されている。イオンモバイルの中心顧客は40~60代だが、「iPhoneなら周りに使っている人がいる。スマホ初心者でも使い方を教えてもらえる」という理由で選ぶ顧客も多い。
以下ソース
2018/7/1 6:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32427780Z20C18A6X11000/
引用元: http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1530398306/